肥後医育塾公開セミナー

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平成23年度 第1回公開セミナー「在宅医療を考える 〜自宅で安心して過ごすために〜」

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院生命科学研究部小児科学教授
遠藤 文夫

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院生命科学研究部小児科学教授
    遠藤 文夫

【座長】
熊本大学医学部附属病院地域医療システム学寄附講座特任教授
黒田 豊

    【座長】
    熊本大学医学部附属病院地域医療システム学寄附講座特任教授
    黒田 豊

【講師】
(社)全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長、医療法人アスムス理事長
太田 秀樹

演題:《基調講演1》人生を支える在宅医療 〜出前医者20年の実践から〜
    【講師】
    (社)全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長、医療法人アスムス理事長
    太田 秀樹

    演題:《基調講演1》人生を支える在宅医療 〜出前医者20年の実践から〜
【講師】
立川在宅ケアクリニック院長
井尾 和雄

演題:《基調講演2》後悔しない最期の時の迎え方 〜在宅看取り1600人超の経験から〜
    【講師】
    立川在宅ケアクリニック院長
    井尾 和雄

    演題:《基調講演2》後悔しない最期の時の迎え方 〜在宅看取り1600人超の経験から〜
【講師】
(株)くますま たっく・リハサポートセンター所長
河添 こず恵

演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》@訪問看護ってな〜に?
    【講師】
    (株)くますま たっく・リハサポートセンター所長
    河添 こず恵

    演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》@訪問看護ってな〜に?
【講師】
居宅介護支援事業所おんさ 管理者・介護支援専門員
谷口 兼一郎

演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》A介護保険と介護支援専門員(ケアマネジャー)
    【講師】
    居宅介護支援事業所おんさ 管理者・介護支援専門員
    谷口 兼一郎

    演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》A介護保険と介護支援専門員(ケアマネジャー)
【講師】
共愛歯科医院訪問診療科科長
園田 隆紹

演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》B安心してお口から食事をしていただくために〜訪問歯科診療で行う嚥下内視鏡を用いた在宅での食支援の取り組み〜
    【講師】
    共愛歯科医院訪問診療科科長
    園田 隆紹

    演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》B安心してお口から食事をしていただくために〜訪問歯科診療で行う嚥下内視鏡を用いた在宅での食支援の取り組み〜
【講師】
熊本ホームケアクリニック院長
井田 栄一

演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》C熊本都市圏の緩和ケア事情 〜在宅医の立場から〜
    【講師】
    熊本ホームケアクリニック院長
    井田 栄一

    演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》C熊本都市圏の緩和ケア事情 〜在宅医の立場から〜
【講師】
熊本県健康福祉部長寿社会局局長
江口 満

演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》D住み慣れた自宅や地域で暮らし続けるために 〜地域包括ケアシステムの構築に向けて〜
    【講師】
    熊本県健康福祉部長寿社会局局長
    江口 満

    演題:《在宅医療を支える専門職からの報告と提言》D住み慣れた自宅や地域で暮らし続けるために 〜地域包括ケアシステムの構築に向けて〜

セミナーの内容

  第43回肥後医育塾公開セミナー「在宅医療を考える〜自宅で安心して過ごすために〜」が7月18日、熊本市のホテル熊本テルサで開かれ、約500人が参加した。公益財団法人・肥後医育振興会、一般財団法人・化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社が主催、県、熊本市、県医師会、熊本大学医学部が後援。
 同大医学部附属病院地域医療システム学寄附講座の黒田豊特任教授が座長を務め、進行。訪問医療や在宅での終末期医療を手掛ける太田秀樹・井尾和雄両医師の基調講演に続き、訪問看護師、ケアマネジャー、訪問歯科医師、在宅療養支援診療所院長、県健康福祉部職員の5氏が、それぞれの立場から在宅医療の現状や課題などを報告した。「Q&Aコーナー」では7人が登壇し、会場から寄せられた質問に答えた。要旨を紹介する。

約500人が聴講した第43回肥後医育塾公開セミナーの会場=熊本市のホテル熊本テルサ

Q&Aコーナー 〜あなたの質問にお答えします〜

77歳の女性を在宅でみています。ことし1月に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、告知も受けました。まだ歩くことができますが、「気管切開して呼吸器を取り付けるかどうか、早めに判断してください」と主治医にいわれました。半年でそれを判断することは普通なのでしょうか。
ALSは、手や足、口、喉の筋肉が萎縮、まひし、呼吸障害を起こす難病。それだけに、患者さんの在宅療養は大変です。すぐに決めるのは難しいと思いますので、ALSの患者さんたちの生活を事前に見て、そのご家族からいろんな話を聞かれることをお勧めします。呼吸器を取り付けるかどうかは、その上で判断されるとよいでしょう。

在宅で介護するには、まず誰に相談すればよいですか。
かかりつけの病院があれば、まず、そこの主治医に相談してください。もし主治医に話しづらいようであれば、近くの地域包括支援センターか居宅介護支援事業所に相談してみるとよいでしょう。介護認定を受けておられるなら、担当のケアマネジャーでもよいと思います。

90歳で要介護2の認定を受け、現在、介護施設、デイサービス、ショートステイなどを利用しています。将来、在宅医療になった場合、対応していただける医療機関がありますか。また、それをどう探したらよいか教えてください。
公的機関である地域包括支援センターに相談されることをお勧めします。各市町村に1カ所以上設置されており、県内には83カ所あります。そこには、ケアマネジャー、保健師、社会福祉士などの各専門職が配置されています。介護に限らず、医療や日常の生活支援についても受け付けています。また熊本には、「ドクターネット」というものがあり、かかりつけ医や訪問看護ステーションに相談されると、地域や、その方の疾病を考慮して在宅専門の医師を紹介することも可能です。

84歳の高齢者が誤嚥しないために家族がどう対応すればよいか教えてください。
食べ方や食事にかかる時間などの変化を見ながら、日常を観察してください。例えば、汁物から先に飲むようになった、ご飯の後に水を欲しがるようになった、ご飯よりパンを食べたがる、むせるようになった、せきが出る、喉に違和感を覚える、声がかすれる―などです。たんが増える、食欲不振、体重が減る、といったことも気になるサインです。何か気になる変化があったときは、主治医や訪問看護師、ケアマネジャー、歯科医師に相談されるとよいでしょう。

独り暮らしでも、在宅医療を受けることができますか。
可能です。いろんな人にお世話になることが大切です。地域の中にお世話をする体制ができていけば、ますます可能になっていくと思います。病院からも、応援してもらえる体制ができていくことを願っています。

母が、管を使って胃に直接栄養を送る胃ろうをするようになって半年になりますが、唇の乾燥が気になります。
胃ろうをすると、口を動かす機会が減ることから口が乾くようになることがあります。対症療法ですが、病院に協力してもらい、保湿剤を使うようにしてください。もし病院に歯科がある、もしくは訪問歯科診療を受けられるのであれば、歯科治療も受けられるとよいと思います。病院に相談されるとよいでしょう。