肥後医育振興会 理事長 熊本大学名誉教授 松下 修三 氏 |
【司会】 アナウンサー 福島 絵美 氏 |
【座長】 肥後医育振興会 副理事長 熊本大学名誉教授 片渕 秀隆 氏 演題:座長あいさつ |
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【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学講座 教授 安永 純一朗 氏 演題:座長あいさつ |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学講座 助教 七條 敬文 氏 演題:【講演@】がんを引き起こすウイルスをご存じですか?〜九州地方に多い血液のがんを中心に〜 |
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【講師】 熊本大学病院肝疾患センター 副センター長 瀬戸山 博子 氏 演題:【講演A】肝がんと肝炎ウイルス |
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【講師】 熊本大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師 宮丸 悟 氏 演題:【講演B】中咽頭がんとヒトパピローマウイルス |
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【講師】 くまもと森都総合病院 外科診療部長 産婦人科部長 永井 隆司 氏 演題:【講演C】子宮頸がんとヒトパピローマウイルス〜身近なウイルスが原因です〜 |
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【講師】 熊本医療センター 統括診療部診療部長 産婦人科部長 木 みか 氏 演題:【講演D】HPVワクチンの実際 |
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「がんの原因となるウイルス〜予防のためにできること〜」と題した第82回肥後医育塾公開セミナーが8月4日、熊本市中央区の市医師会館で開催され約170人が聴講した。今回の講座は「感染症のいろいろ〜無病息災のために知っておきたい予防策〜」を年間テーマとする3回シリーズの1回目。熊本大名誉教授の片渕秀隆氏と同大大学院の安永純一朗氏の2人が座長を務め、がんを起こすウイルスについて5人の専門家が登壇。最後に質疑応答が行われた。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。
Q 成人T細胞白血病(ATL)の治療状況を教えてください。
A 同種造血幹細胞移植や新薬の登場により、以前と比較すると予後は改善しています。しかしまだまだ課題が多い病気です。(七條)
Q 膵炎から膵がんにならないよう、何に気を付けるといいですか。
A 特に慢性膵炎の場合は膵がんになるリスクが高いので、慢性膵炎と診断された方は飲酒の量を減らし、食事に留意してください。膵臓の炎症を抑える薬があるので病院の受診を勧めます。(瀬戸山)
Q 喉に違和感があります。病院を受診した方がいいでしょうか。
A もし2週間以上、声がれ、のどの違和感、飲み込みにくさがあれば、耳鼻咽喉科の受診を。(宮丸)
Q ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染すると生涯、体内に存在し続けますか。
A 90%の方は免疫の働きによりウイルスが排除されますが、10%の方は免疫がうまく働かず、ウイルスが生涯、体内に残ります。なお、20代は感染率が高く、その多くは自然に消失するため、HPV検査単独法の対象外です。(永井)
Q 私が卵巣がんになりました。娘は10年前に子宮頸がんワクチンを接種済みですが、卵巣がんの予防にもなりますか。
A 子宮頸がんはHPV感染によって起こるので、卵巣がんとは発症の経緯が異なり、関連性はありません。卵巣がん発症には一部、遺伝的要因が影響することもあります。(木)