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肥後医育塾公開セミナー

平成30年度 第1回公開セミナー「治す! 認知症」

司会・講師


肥後医育振興会理事長
熊本大学名誉教授
医療法人八代桜十字 丸田病院 院長
西 勝英

【司会】
肥後医育振興会常任理事
くまもと江津湖療育医療センター総院長
遠藤 文夫

【座長】
熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野教授・医学部長
安東 由喜雄

演題:イントロダクション「認知症の種類」
【講師】
熊本託麻台リハビリテーション病院理事長
平田 好文

演題:講演1 外科的治療ができる認知症疾患 〜特発性正常圧水頭症と慢性硬膜下血腫〜
【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野 分子神経治療学寄附講座 特任教授
中根 俊成

演題:講演2 レビー小体型認知症、パーキンソン病に伴う認知症の治療
【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野 脳血管障害先端医療寄附講座 特任教授
中島 誠

演題:講演3 脳血管障害に伴う認知症ケア
【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野 講師、熊本大学医学部附属病院アミロイドーシス診療センター 副センター長
植田 光晴

演題:講演4 アルツハイマー病の治療の最前線

セミナーの内容

  第64回肥後医育塾「治す! 認知症」が7月16日、熊本市中央区のホテル熊本テルサであり、約450人が聴講した。公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社主催。
 講座は熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野教授の安東由喜雄氏が座長を務め、進行。安東氏のイントロダクションに続き、脳神経外科や神経内科の専門医4氏が、認知症状が出る病気などについて講演した。最後にQ&Aコーナーも設けられ、会場からの質問に答えた。

脳神経外科や神経内科の専門医4人が、認知症の最新医療について講演した第64回肥後医育塾公開セミナーの会場 =熊本市中央区のホテル熊本テルサ
会場からの質問に答える登壇者

Q&Aコーナー

早期認知症の見分け方のポイントを教えてください。
 特発性正常圧水頭症は一般的に、もの忘れと歩行障害で見分けます。ただ、本人は年のせいだと思っていることが多いため、家族が早めに気付いてあげましょう。(平田)
 レビー小体型認知症は、認知機能よりも見間違いや寝ている時の変な言動に注意を。家族は寛容に接していただくことが大切です。(中根)
 脳血管性認知症は、脳卒中の病歴や高血圧、糖尿病、喫煙などの危険因子が手掛かりになります。受診する際には、今飲んでいる薬を必ず医師に提示してください。(中島)
 アルツハイマー型認知症は、もの忘れの症状が最初に出ます。それを本人が取り繕う傾向があるのが特徴です。(植田)

アルツハイマー型認知症は遺伝しますか。
 40〜50代で発症する若年性アルツハイマー型では、遺伝子異変が見つかっています。高齢者の場合、「APOE(アポイー)」という遺伝子の型によって、直接的な遺伝子異常とは別に発症しやすい人と、発症しにくい人がいることが分かっています。(安東)

実弟が2度目の脳梗塞を発症して以来、無気力状態が続き心配です。
 少しずつ体を動かし、社会活動に参加したり、昔の趣味などに取り組んでみたりするとよいと思います。うつ病であれば、専門的な治療が必要になるため、まずはかかりつけ医にご相談ください。(中島)

正常圧水頭症は、何歳くらいまで手術ができますか。
 高齢者に多い病気で、90歳でも手術は可能です。ただ、心臓疾患やがんなどがあると、手術が難しいケースもあります。(平田)

認知症と思われる知人がいますが、病院になかなか行ってくれません。
 地域包括支援センターに話をすると、相談に乗ってくれると思います。また、認知症サポート医を紹介してもらうと、簡単な認知症テストが受けられます。そこから専門病院への受診につなげることもできます。(平田)
 専門医受診のときには、かかりつけ医からの紹介という形だと、ご本人が受け入れやすいことがあります。(中島)
 認知症というと、根治しないアルツハイマー型を思い浮かべる人がいますが、治せる認知症もかなりあることを、ご本人に理解してもらってください。(植田)
 熊本には全国に先駆けた認知症ケアシステム「熊本モデル」が確立されています。患者さんをうまく説得し、気持ちいい形で、精神科や神経内科、脳外科の受診に導いてください。(安東)