肥後医育塾公開セミナー

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令和6年度 第2回公開セミナー「熊本が生んだ近代医学のヒーローから新時代の感染制御へ」

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会副理事長
熊本大学名誉教授
片渕 秀隆

    【司会】
    肥後医育振興会副理事長
    熊本大学名誉教授
    片渕 秀隆


肥後医育振興会副理事長
熊本大学名誉教授
松下 修三


    肥後医育振興会副理事長
    熊本大学名誉教授
    松下 修三


熊本大学医学部同窓会熊杏会会長
熊本大学名誉教授
遠藤 文夫


    熊本大学医学部同窓会熊杏会会長
    熊本大学名誉教授
    遠藤 文夫


学校法人銀杏学園理事長
木下 統晴


    学校法人銀杏学園理事長
    木下 統晴

【座長】

門岡 康弘 氏 / 佐藤賢文

演題:座長挨拶
【講師】
熊本保健科学大学生物毒素・抗毒素共同研究講座特命教授
橋 元秀

演題:【講演1】北里柴三郎の偉業と現代医学への足跡 
    【講師】
    熊本保健科学大学生物毒素・抗毒素共同研究講座特命教授
    橋 元秀

    演題:【講演1】北里柴三郎の偉業と現代医学への足跡 
【講師】
熊本保健科学大学生物毒素・抗毒素共同研究講座特命助教
志多田 千恵

演題:【講演2】破傷風、身近な危険を探る!
    【講師】
    熊本保健科学大学生物毒素・抗毒素共同研究講座特命助教
    志多田 千恵

    演題:【講演2】破傷風、身近な危険を探る!
【座長・講師】
熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センターゲノミクス・トランスクリプトミクス分野教授
佐藤 賢文

演題:【講演3】知っておきたいワクチンのしくみ
    【座長・講師】
    熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センターゲノミクス・トランスクリプトミクス分野教授
    佐藤 賢文

    演題:【講演3】知っておきたいワクチンのしくみ
【座長・講師】
熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学講座教授
門岡 康弘

演題:【講演4】自分そして周りのことを考えてワクチン接種を決めよう
    【座長・講師】
    熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学講座教授
    門岡 康弘

    演題:【講演4】自分そして周りのことを考えてワクチン接種を決めよう

セミナーの内容

 第83回肥後医育塾公開セミナーが11月10日、熊本市中央区の熊本市医師会館で開催され約100人が聴講した。今回は新千円札の肖像に採用された北里柴三郎博士の偉業を顕彰する目的で企画され、4人の専門家が登壇した。年間テーマ「感染症のいろいろ〜無病息災のために知っておきたい予防策〜」の3回シリーズの2回目。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。熊本大学医学部同窓会熊杏会[ゆうきょうかい]との共催、学校法人銀杏学園などの後援で開催。

県内4人の専門家が北里柴三郎の偉業や破傷風、血清療法などについて解説した=熊本市中央区、熊本市医師会館
約100人が参加した第83回肥後医育塾公開セミナー
参加者の質問に答える登壇者
熊日YouTubeチャンネルで講演動画を公開 11月10日に収録した講演の模様を熊本日日新聞社のYouTubeチャンネル(https://x.gd/1g9dx)で公開中です。QRコードを読み取ると、各コンテンツの動画を見ることができます。

Q&Aコーナー

Q 高齢者ですが、破傷風のみのワクチン接種はできますか。
A 破傷風単独の不活化ワクチンがあります。1カ月間隔で計2回打つと抗体は10年間ほど持続するとされています。(橋)

Q 畑の土の中に破傷風菌がいるとのことですが、消毒すれば菌は死にますか。
A 破傷風菌は芽胞に包まれているので、一般の消毒薬やアルコール、強い紫外線にも耐性があります。(志多田)

Q 破傷風菌が野菜の中に入り、それを食べた人が発症する可能性はありますか。
A 破傷風菌は傷口から感染しますが、食べても大丈夫です。健康な状態なら体内の腸内細菌などが作用して守られます。(橋)

Q 破傷風菌の芽胞はどのくらい長く生きるのですか。
A 昔、芽胞の状態で100年も生きると教わりましたが、志多田研究員の報告により、土壌の中から抗生物質に耐性がある破傷風菌が見つかりました。ということは土壌の中での菌の増殖、または他の菌が獲得した耐性が移ってきた可能性なども想定されますが、まだ解明されていません。(橋)

Q 10月から接種が始まった新しいタイプのコロナワクチンは、副反応などの問題はないでしょうか。
A レプリコン(自己増殖型mRNA)ワクチンのことかと思いますが、これは接種した少量のmRNAが体内で自己増殖し抗体ができる仕組みです。少量のため従来のmRNAワクチンより副反応が抑えられるといわれます。臨床試験を経て認可されたワクチンですが、門岡教授が指摘されたように長期的な効果などが分からないという不確定な要素も考えて選択してください。(佐藤)