【司会】 肥後医育振興会 副理事長 熊本大学 名誉教授 片渕 秀隆 氏 |
【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学講座 教授 神波 大己 氏 演題:座長あいさつ |
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【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 消化器内科学講座 教授 田中 靖人 氏 演題:座長あいさつ |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部 消化器内科学講座 診療講師 長岡 克弥 氏 演題:〈講演@〉知らぬ間に進む肝臓病・肝がん〜手遅れになる前にできること〜 |
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【講師】 熊本市民病院 消化器内科 科長 階子 俊平 氏 演題:〈講演A〉膵がんに注意すべき人と膵がんの治療法 |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学講座 特任助教 穴見 俊樹 氏 演題:〈講演B〉腎臓の病気〜慢性腎臓病(CKD)と腎がんは早期発見が大事〜 |
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【講師】 熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学講座 診療助手 井上 尚美 氏 演題:〈講演C〉卵巣がんをご存じですか? |
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第81回肥後医育塾公開セミナー「サイレント・キラー(沈黙の病気)〜無症状のまま進行する怖い病気〜」が3月2日、熊本市中央区の市民会館シアーズホーム夢ホールで開かれ、約230人が参加した。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。
県内の医師4人が、自覚症状がないまま進む代表的な病気や、予防のために気を付けたいことなどを紹介。質疑応答もあった。講演内容は熊日YouTubeチャンネルで今日から配信される。
Q C型肝炎が治った後、いつまで経過を見ればよいですか。
A C型肝炎は良い薬が登場して治るようになりましたが、ウイルスが消えた後も肝臓へのダメージは残ります。かなり後から発がんすることもあり、半年または1年ごと、肝硬変の人は3カ月から半年に1度は消化器内科を受診し、肝がんの早期発見に努めてください。
(長岡)
Q 膵がんにならないよう、日常生活で気を付けるべきことはありますか。
A 飲酒と喫煙はよくありません。過度な飲酒を続けると慢性膵炎になり、飲まない人よりも10倍、膵がんになりやすくなります。(階子)
膵がんになっても、適度な運動が必要です。筋力が落ちるとサルコペニア(身体機能低下)やフレイル(虚弱)の状態になり生活の質が落ちるので、ぜひ運動をしてください。(田中)
Q 血液検査のeGFR値が50前後です。どの段階で治療や人工透析が必要になりますか。
A eGFR値60以下が慢性腎臓病治療の目安で、タンパク尿も指標になります。末期腎不全はeGFR値15以下が目安ですが、透析導入は数値だけでなく、さまざまな症状を診察して決まります。定期検診の結果は治療につながりますので、必ず受けてください。(穴見)
腎臓のeGFR値20の状態でも、食事・運動療法を開始すれば、悪化の進行を緩められます。病院で生活指導を受け、スマホアプリも有効に活用してください。(神波)
Q 卵巣がん手術で卵巣を摘出した後の体への影響を教えてください。
A 女性ホルモンが出なくなるため、閉経前の人に更年期症状が強く出ることがあり、生活習慣病にもなりやすいです。対応策として、ホルモン補充療法などを用います。閉経後の人には基本的に大きな影響はありません。(井上)