肥後医育振興会 理事長 熊本大学 名誉教授 松下 修三 氏 |
【司会】 肥後医育振興会 副理事長 熊本大学 名誉教授 片渕 秀隆 氏 |
【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経外科学講座 教授 武笠 晃丈 氏 演題:座長あいさつ |
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【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 整形外科学講座 教授 宮本 健史 氏 演題:座長あいさつ |
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【講師】 熊本託麻台リハビリテーション病院 脳神経外科 部長 村上 雅二 氏 演題:【講演@】日常生活に支障をきたす厄介な頭痛 |
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【講師】 済生会熊本病院 脳卒中センター脳神経外科 部長 山城 重雄 氏 演題:【講演A】命にかかわる注意すべき頭痛 脳卒中や脳腫瘍など〜いつもと違う頭の痛みは要注意〜 |
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【講師】 熊本大学病院 整形外科 助教 谷脇 琢也 氏 演題:【講演B】腰痛の診断〜危険な腰痛を見逃さないために〜 |
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【講師】 熊本大学病院 整形外科 特任助教 中村 孝幸 氏 演題:【講演C】整形外科における腰痛の治療 |
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第79回肥後医育塾公開セミナー「その頭痛や腰痛、放置していませんか?」が7月9日、熊本市中央区の市医師会館で開かれ、約140人が聴講した。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。
熊本大大学院生命科学研究部の武笠晃丈氏と宮本健史氏が座長を務め、県内の医師4人が、放置しがちな頭痛や腰痛の適切な治療法などを紹介。質疑応答もあった。講演内容は熊日YouTubeチャンネルで今日から配信される。
Q 片頭痛と緊張性頭痛を、簡単に判別することはできますか。
A 基本的に、体を動かすとひどくなるのが片頭痛で、楽になるのが緊張型頭痛です。判別には、しっかりとした診断が必要です。(村上)
Q 毎朝、目が覚めると頭痛がします。起きてしばらくすると良くなりますが、このまま放置してよいでしょうか。
A 脳腫瘍の疑いがありますので、かかりつけ医と相談して、CTやMRI検査を受けてみてはいかがでしょう。(山城)
Q 視野にチカチカした閃輝暗点が広がった後、強い頭痛に悩まされており、市販の頭痛薬で片頭痛をしのいでいます。閃輝暗点の後に頭痛が来ない症状は別の危険な病気でも見られると聞きますが、どのようなものがありますか。
A 前兆がある片頭痛の経過で、年齢が上がると、閃輝暗点の後に頭痛が来ないこともあります。これはまず放置してよいです。ただ、閃輝暗点のみで頭痛が来ない危険な病気として、一時的に脳に血が流れなくなる一過性脳虚血発作(TIA)があり、脳梗塞を起こす前兆と考えられます。また、てんかんの発作などもあります。心配であれば、ぜひ医療機関を受診してください。(村上)
Q 腰痛がひどく整形外科で痛み止めと湿布薬をもらい、その後は整体院に通っています。3カ月たちますが、症状はむしろ悪くなっているようで心配です。
A 怖い病気が隠れていないか、しっかり検査を受けましょう。かかりつけ医と相談し、まずはMRI検査など詳しく検査をするか、行っていただく病院を紹介してもらってください。(中村)
Q 腰の神経や筋肉が原因の腰痛と、胃などの内臓疾患から来る腰痛で、痛みや症状には違いがありますか。
A 体を動かすと痛い、姿勢を前に曲げたり後ろに反らしたりすると痛いというケースは基本的に整形外科の領域です。一方、動かないでじっとしていても痛みがある、痛みが何度も繰り返す、下腹部が痛い―などの場合は内科の領域になります。どちらか分からないときは、まず整形外科を受診し、もし他の診療科の受診が必要ならば、紹介してもらってください。(谷脇)