肥後医育振興会 理事長 熊本大学 名誉教授 西 勝英 氏 |
【司会】 肥後医育振興会 常任理事 熊本大学 名誉教授 片渕 秀隆 氏 |
【座長】 熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座 教授 植田 光晴 氏 演題:座長あいさつ |
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【座長・講師】 熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座 特任教授 中島 誠 氏 演題:【講演@】これってもしかして脳卒中? 〜脳卒中の症状と緊急対応〜 |
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【講師】 熊本大学病院 脳神経外科 助教 賀耒 泰之 氏 演題:【講演A】脳血管疾患に対する手術治療と脳血管内治療〜脳卒中を防げ!〜 |
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【講師】 阿蘇医療センター 院長 甲斐 豊 氏 演題:【講演B】地域中核病院における脳血管疾患診療〜阿蘇医療センターの取り組み〜 |
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【講師】 熊本託麻台リハビリテーション病院 理事長 平田 好文 氏 演題:【講演C】進化する回復期リハビリテーション〜わたしたちの挑戦〜 |
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第78回肥後医育塾公開セミナー「高齢者の『脳血管疾患』治療」が2月18日、熊本市中央区の市医師会館で開かれ、約130人が聴いた。主催は公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社。
熊本大学大学院生命科学研究部教授の植田光晴氏と中島誠氏が座長を務め、県内の医師4人が、高齢者に多い脳卒中などの脳血管疾患の治療法を解説。質疑応答もあった。講演内容は熊日YouTubeチャンネルで本日から動画配信される。
Q 身内に脳梗塞になった人が数人います。自分もいつか発症するでしょうか。
A 脳梗塞は生活習慣が影響するため、塩分の取り過ぎや脂っぽい食事を避け、禁煙や、運動習慣を付けることが大切です。(賀耒)
脳梗塞は遺伝しないと考えられていますが、動脈瘤や一部の脳卒中は、遺伝の可能性が指摘されています。特に若くして脳卒中を起こしたご家族が多くいらっしゃるような方は、一度専門医に相談してください。(中島)
Q 身内がくも膜下出血を起こしたため脳ドックを受けたいのですが、検査項目や注意点を教えてください。
A 脳ドックではMRIや頚動脈エコー検査が含まれていることが重要です。もし異常が見つかれば、半年または年に1回、経過を見ていく必要があります。費用に保険は適用されません。(甲斐)
Q 脳卒中になった場合、後遺症やリハビリの課題は何ですか。
A 5人に1人の割合で再発が起こっているため、再発予防に向けた生活管理が大切です。また、脳卒中後は「こんなになってしまった」と悩む人が多いので、心の問題を乗り越える必要があります。リハビリのかかりつけを持つことをお勧めします。(平田)
介護認定を受けてリハビリをすることが大切です。加えて、車の運転の再開を目指したリハビリも重要です。(甲斐)
Q 急性期リハビリテーションの現状について教えてください。
A 熊本県では急性期病院を1〜2週間で退院する間に行われますが、本格的なリハビリは回復期病棟に来てからという状況です。(平田)
全国的には急性期病院で3〜4週間過ごす地域も多いのですが、熊本は連携体制が整っており、短期間で回復期病院に転院できるという恵まれた環境です。発症何日目からどのようなリハビリを始めるべきかについては、まだ研究が十分に進んでおらず、現在全国の専門家が連携して検討を進めています。(中島)
Q 血圧の薬を長く服用しているため、副作用が心配です。薬をやめることは難しいでしょうか。
A 高血圧は加齢と動脈硬化が主な要因であるため、薬の服用をやめると血圧が上がります。服用を続けてください。
(賀耒)
血圧の薬の場合、長年飲んでも副作用の心配はそれほどないことが多いです。肥満の方が体重を落としたことで血圧が下がり、薬をやめられたケースはあります。(中島)