【司会】 肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授 西 勝英 氏 氏 |
【座長】 熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野教授 遠藤 文夫 氏 |
【講師】 帝京大学医学部小児科教授 児玉 浩子 氏 演題:「子育てと生活習慣病」 |
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【講師】 熊本大学医学部付属病院医師 木脇 弘二 氏 演題:「地域の小児生活習慣病検診から」 |
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【講師】 琉球大学医学部病態解析医科学講座育成医学分野教授 太田 孝男 氏 演題:「小児生活習慣病 ?長寿県だった沖縄からのメッセージ?」 |
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【講師】 熊本県葦北地域振興局保健福祉環境部長 佐藤 克之 氏 演題:「地域と行政のパートナーシップによる食育」 |
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「第27回肥後医育塾」が2月28日、熊本市水前寺公園の熊本テルサで「小児生活習慣病を防ぐには」をテーマに開かれ、約200人が熱心に耳を傾けた。肥後医育塾振興会常任理事の西勝英氏が司会、熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野の遠藤文夫教授が座長を務め、小児医療や保健衛生行政に携わる4氏が講師となり、それぞれの立場から講演した。講演の後は遠藤氏の司会により、講師4氏の総合討論が行われ、幼児期からの肥満防止や保護者への食育の必要性が訴えられたほか、来場者との質疑応答も行われた。
遠藤 講師の先生方で付け加えたいことはありますか。
児玉 肥満や生活習慣病の子どもは十人に一人ですが、本当に話を聞いてもらいたい一人がなかなか乗ってこないので、オーダーメードの食育を考えていく必要があると思います。
太田 三歳ぐらいから肥満予防を始めたらよいと言いましたが、保護者にはもっと早い段階からの食育が必要です。
木脇 学校や地域で肥満に言及することが難しい状況があります。肥満を正しく話題にできる雰囲気作りも大事です。
佐藤 県でも食育基本計画を作っています。ご意見やご批判をいただいて、関心を持ってもらうことが成果につながると思います。
遠藤 保護者の関心を高めるにはどうすればよいですか。
児玉 肥満の子どもは合併症の疑いがあるので、血液検査を勧めています。肝機能障害や潜在的な糖尿病の説明はインパクトが強いと思います。
太田 沖縄では二次検診になると受診率が低くなります。異常があると言われるのが恐いのではないでしょうか。
遠藤 会場から何か質問はありますか。
Q 人工透析の最も低い年齢は何歳程度でしょうか。
木脇 小児期の2型糖尿病では大変まれです。糖尿病の合併症では、網膜症など目の合併症が最初であることが多いです。1型と2型の子どもでは合併症の予後は2型の方が悪いという結果があります。
Q 日本食を奨励しようという取り組みはありますか。
太田 沖縄では伝統的な健康食に回帰しようという運動がありますが、若いお母さんが作れないということがあって、なかなか実効が上がっていないようです。
児玉 日本食はよくて、欧米風のカレーやシチューは悪いと言われる風潮がありますが、脂肪のとりすぎがよくないのであって、あまり日本食、洋食とこだわる必要はないと思います。若いお母さんには、手軽に作れるヘルシーな食事の作り方を指導していくのも大切です。
遠藤 最後に有効な予防方法をお聞かせください。
児玉 妊娠中の母親教室、一カ月健診、乳児健診とあらゆるタイミング、あらゆる年代で繰り返し啓発することです。
太田 幼稚園児の食育で理解を広げていくのが一番の近道です。その年代の親が最も関心を持っています。
木脇 熊本市の小学四年生での検診は保護者との距離を考えると良いタイミングです。中学生ぐらいで再評価する機会があればいいと思います。
佐藤 子ども世代への取り組みはこれからも続けますが、市町村では老人保健事業の健康指導を少ないスタッフでやっておられる状況があるので、県の保健分野の担当者がどれだけ協力できるかが課題だと思います。