肥後医育塾公開セミナー

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平成15年度 第3回公開セミナー「体力維持と健康法」

司会・講師

【座長】
熊本大学大学院医学薬学研究部教授
高木 克公

    【座長】
    熊本大学大学院医学薬学研究部教授
    高木 克公

【司会】
肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授
西 勝英

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授
    西 勝英

【講師】
東京大学大学院教育学研究科教授
武藤 芳照

演題:「転ばぬ先の杖と知恵?転倒・骨折・ねたきり予防のために?」
    【講師】
    東京大学大学院教育学研究科教授
    武藤 芳照

    演題:「転ばぬ先の杖と知恵?転倒・骨折・ねたきり予防のために?」
【講師】
西合志町保健福祉センター理学療法士
野崎 智美

演題:「介護予防とパワーリハビリテーションの実際?西合志町の取り組み?」
    【講師】
    西合志町保健福祉センター理学療法士
    野崎 智美

    演題:「介護予防とパワーリハビリテーションの実際?西合志町の取り組み?」
【講師】
熊本機能病院総院長
米満 弘之

演題:「21世紀のリハビリテーション医療?疾病治療から生活自立支援まで?」
    【講師】
    熊本機能病院総院長
    米満 弘之

    演題:「21世紀のリハビリテーション医療?疾病治療から生活自立支援まで?」
【講師】
有明成仁病院リハビリーテーション部長
牛島 俊昌

演題:「ねたきりにならない体操の応用」
    【講師】
    有明成仁病院リハビリーテーション部長
    牛島 俊昌

    演題:「ねたきりにならない体操の応用」

セミナーの内容

 肥後医育塾の第二十一回公開セミナー「体力維持と健康法」が二月七日、熊本市の熊本テルサで約四百人が参加して開かれた。(財)肥後医育振興会・(財)化学及血清療法研究所・熊本日日新聞社主催、熊本大学医学部・県・熊本市・県医師会・(財)熊本テルサ後援。

 第1部は東京大学大学院教育学研究科教授の武藤芳照氏が「転ばぬ先の杖と知恵〜転倒・骨折・ねたきり予防のために〜」と題して基調講演。
 第2部では熊本機能病院総院長の米満弘之氏が「21世紀のリハビリテーション医療〜疾病治療から生活自立支援まで〜」、西合志町保健福祉センター勤務で理学療法士の野崎智美氏が「介護予防とパワーリハビリテーションの実際〜西合志町の取り組み〜」、有明成仁病院リハビリテーション部長の牛島俊晶氏が「ねたきりにならない体操の応用」のテーマでそれぞれ講演した。

 来場者と講師との総合討論もあった。
 肥後医育振興会常任理事の西勝英氏が司会、座長を熊本大学大学院医学薬学研究部教授の高木克公氏が務めた。

講演で資料を使いながら分りやすく話された
約400人が参加して開かれた第21回肥後医育塾公開セミナー。4人の講師による講演と来場者を交えた総合討論が行なわれた

総合討論

 会場から 社会福祉協議会が提供している配食サービスを、月に二回だけ利用している人がいらっしゃいました。ほかの日はどうされているのか疑問に思いましたので、お尋ねしたところ「自分で作っている」ということでした。そこで社教では、「自分で作れるならすべて自分で作ってください」と、サービスの提供をお断りしたケースがありました。このように人は行政サービスに頼りすぎる面もあるように思いますが、いかがでしょうか。

武藤 福祉について一般的に言いますと、これまでは“行政がしてくれるもの"というイメージがあったと思います。ところが最近は“最良の福祉は皆が元気になること"との考えに立ち、単に福祉サービスを提供するだけでなく、皆さんが自発的に元気になろうとする努力を重視するようになってきました。そして料理を作ることは運動にもなる上、考える力や美的感覚も必要です。自分で作っていただくのはいいことだと思います。

米満 人間らしい社会生活を営むにはまず自立することが必要です。それができないと、他者の支援が必要になってきます。ただその支援が、お金がないから生活資金を支給するといった“施し"ではなく、その人が自立するにはどうすべきかをよく考えて支援すべきなのです。私も月二回の配食サービスにどういう意味があるのが疑問に感じます。自分で作れる人は積極的に作ってほしいと思います。

高木 自立できるようになると、ホームヘルパーが訪問しないということにもなると思いますが、これはこれで問題なのではないでしょうか。米満さん、いかがでしょうか。

米満 もし、本当に来なくていいのなら、来ないほうがいいと思います。食事介助でもヘルパーが介助するとすぐ食事は終わります。しかし、それはその人にとっては本当の意味での食事ではないと思います。少しでも手が動くのなら、どうすれば自分で食べられるのか考え努力すべきです。たとえ一膳食べるのに一時間かかったとしてもそれがその人の食事なのです。そうしたことが介護度が軽くなることにもつながり、その人の喜びにもなるでしょう。