肥後医育塾公開セミナー

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平成15年度 緊急フォーラム「新型肺炎?SARS?にそなえる」

司会・講師

【座長】
熊本大学医学部付属病院長
三池 輝久

    【座長】
    熊本大学医学部付属病院長
    三池 輝久

【オーガナイザー】
肥後医育振興会理事
西 勝英

    【オーガナイザー】
    肥後医育振興会理事
    西 勝英

【講師】
熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学分野助教授
管 守隆

演題:「SARSの病態と臨床診断」 
    【講師】
    熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学分野助教授
    管 守隆

    演題:「SARSの病態と臨床診断」 
【講師】
熊本県健康福祉部健康危機管理課長
横田 堅

演題:「熊本県におけるSARS対策」
    【講師】
    熊本県健康福祉部健康危機管理課長
    横田 堅

    演題:「熊本県におけるSARS対策」
【講師】
熊本大学大学院医学薬学研究部感染防御学分野教授
原田 信志

演題:「SARSの病原ウイルスと感染経路」
    【講師】
    熊本大学大学院医学薬学研究部感染防御学分野教授
    原田 信志

    演題:「SARSの病原ウイルスと感染経路」
【講師】
熊本市民病院副院長
岳中 耐夫

演題:「熊本市民病院における発症者対策と二次感染防止対策」
    【講師】
    熊本市民病院副院長
    岳中 耐夫

    演題:「熊本市民病院における発症者対策と二次感染防止対策」

セミナーの内容

  肥後医育塾緊急フォーラム「新型肺炎〜SARS〜にそなえる」が6月3日、熊本市の鶴屋百貨店で開かれた。
 肥後医育振興会理事の西勝英氏がオーガナイザー、熊本大学医学部附属病院長の三池輝久氏が座長を務め、同大大学院医学薬学研究部助教授の菅守隆氏ら4人が講演。菅氏が「SARSの病態と臨床診断」、熊本大学大学院医学薬学研究部教授の原田信志氏が「SARSの病原ウイルスと感染経路」、県健康福祉部健康危機管理課長の横田堅氏が「熊本県におけるSARS対策」、熊本市民病院副院長の岳中耐夫氏が「熊本市民病院における発症者対策と二次感染防止対策」をテーマに話し、引き続き質疑応答が行われた。


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SARSとは
SevereAcuteRespiratorySyndromeの略で、日本では重症急性呼吸器症候群と呼ばれている。昨年11月ごろ中国・広東省で発生したとされる新しい感染症。今年4月、世界保健機関(WHO)が、原因は新型のコロナウイルスと断定した。

約600人が参加した肥後医育塾緊急フォーラム「新型肺炎〜SARS〜にそなえる
来場者はSARSの最新情報を得ようと、真剣に聞き入っていた
フォーラムでは各講師とも、さまざまなデータを交えながらSARSについて解説した
質疑応答では、SARSに関するさまざまな疑問に講師の4人が回答した

質疑応答

◇この特集は、6月3日に行われた緊急フォーラムを採録したもので、記事中のSARSに関するデータなどはいずれも、その時点のものです。



Q 潜伏期間中の人から感染することはありますか。
 正直言って、はっきり分かりません。シンガポールなどで明らかにされた詳しい感染状況からすると、可能性は低いと思います。ただトロントでは、いったん収まったのに再発しており、その原因を解明しないと正確な答えは出ないと思います。

Q 子どもはかかりにくいと聞きますが、いかがでしょうか。
原田 この点も分かっていません。一般的に子どもはウイルス感染の病気にかかっても軽く済みます。例えば水痘やハシカにしても、大人がかかると症状が重くなりますが、子どもは大人ほどではありません。そういうことと関係があるかもしれません。

Q マスク着用の効果はありますか。
 SARSは患者の咳やくしゃみなどで飛び散る飛沫を直接吸い込んだり、それらに接触して口から感染すると考えられています。感染の予防と、感染した人が感染を広げない観点からもマスク着用は有効です。

Q 家族が発症した場合どうすべきでしょうか。
岳中 患者の家族の方は、本人の発症が確認されてから十日間は、人との接触を避けていただきたいと思います。

Q 夜間に症状が出たらどうしたらいいでしょうか。また動物から感染することはありますか。
横田 夜間でも最寄りの保健所の相談窓口に電話してください。担当者につながるようになっています。
原田 動物を通しての感染は、確実な答えは今後の研究結果を待つ必要があります。今のところネズミなどが媒介することはないようです。