肥後医育塾公開セミナー

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平成26年度 第3回公開セミナー「慢性腎臓病と栄養」

司会・講師

【座長】
熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野 教授
向山 政志

    【座長】
    熊本大学大学院生命科学研究部腎臓内科学分野 教授
    向山 政志


肥後医育振興会 理事長 熊本大学名誉教授 医療法人桜十字病院総院長
西 勝英


    肥後医育振興会 理事長 熊本大学名誉教授 医療法人桜十字病院総院長
    西 勝英

【司会】
肥後医育振興会 副理事長 済生会熊本病院 検体検査管理室長
山本 哲郎

    【司会】
    肥後医育振興会 副理事長 済生会熊本病院 検体検査管理室長
    山本 哲郎

【講師】
熊本大学医学部附属病院 腎臓内科 講師
中山 裕史

演題:講演(1) 慢性腎臓病と塩分・タンパク制限
    【講師】
    熊本大学医学部附属病院 腎臓内科 講師
    中山 裕史

    演題:講演(1) 慢性腎臓病と塩分・タンパク制限
【講師】
熊本大学医学部附属病院 代謝・内分泌内科 助教(医局長)
本島 寛之

演題:講演(2) 熊本における糖尿病対策〜ブルーサークルメニューって、知ってますか?〜
    【講師】
    熊本大学医学部附属病院 代謝・内分泌内科 助教(医局長)
    本島 寛之

    演題:講演(2) 熊本における糖尿病対策〜ブルーサークルメニューって、知ってますか?〜
【講師】
熊本大学医学部附属病院 栄養管理部栄養管理室 主任栄養士
長瀬 博美

演題:講演(3) 慢性腎臓病における食事療法のコツ
    【講師】
    熊本大学医学部附属病院 栄養管理部栄養管理室 主任栄養士
    長瀬 博美

    演題:講演(3) 慢性腎臓病における食事療法のコツ

セミナーの内容

  第54回肥後医育塾公開セミナー「慢性腎臓病と栄養」が2月8日、熊本市中央区のホテル熊本テルサであり、約400人が受講した。公益財団法人肥後医育振興会、一般財団法人化学及血清療法研究所、熊本日日新聞社主催。
 肥後医育振興会の山本哲郎副理事長が司会、熊本大学大学院生命科学研究部の向山政志教授が座長を務めた。成人の8人に1人に上るとされる慢性腎臓病(CKD)について、糖尿病との関連や食習慣の改善を中心に3人の講師が講演。受講者からの質問に答える「Q&Aコーナー」や「個別相談コーナー」も設けられた。

約400人が受講した第54回肥後医育塾公開セミナー=熊本中央区のホテル熊本テルサ
来場者からの質問に答える「Q&Aコーナー」

Q&Aコーナー

■熊本県「ブルーサークルメニュー」ホームページ
ブルーサークルメニューの概念と取り組みをはじめ、提供店とメニューの内容を紹介しています。
http://kumamoto-dmstaff.org/bcm/



かなり前から腎臓結石、動脈硬化があります。定期健診で腎臓が悪くなっていると言われ、カリウムを含む果物や野菜を控えるよう指示されました。(83歳・男性)
中山 慢性腎臓病の方だと思われますが、血液中にカリウムが増えると不整脈が起こることがあります。心臓がけいれんすると命に関わることもありますので注意が必要です。また、腎臓を保護する薬の中には、その副作用でカリウム値が上がりやすくなるものがあります。そのため、食事でカリウムを制限する必要があります。
長瀬 カリウムは水に溶けるので、野菜や芋は水にさらしたり、ゆでるとよいでしょう。果物でカリウムが多いのはバナナ、メロン、キウイです。注意してください。

68歳の主人が昨年末、尿に泡が出て、慢性腎臓病と診断されました。塩分とタンパク質を控える食事の指導を受け、低タンパクのご飯を取り寄せ、食事には大変気を付けています。でも、どんな食事を作ればいいか心配です。(66歳・女性)
中山 奥様が思い詰めているように感じられるところも心配です。料理内容は栄養士に相談し、一日の尿をためて成分を調べる蓄尿検査で、タンパク質をどのくらい摂取しているかを知ることが参考になると思います。

母が糖尿病、父は高血圧症です。私も最近は甘いものを好むようになりました。どんなことに気を付けたらいいですか。(42歳・女性)
本島 甘いものを好むことが、そのまま糖尿病につながるわけではありません。血糖値が正常で肥満もなく、コレステロール、中性脂肪も正常値であれば、甘いものを制限する必要はありません。まず糖尿病かどうか、確かめることが大事です。

タンパク質制限とは、アミノ酸を制限することと同じですか。(女性)
向山 そうではありません。アミノ酸はタンパク質と比べて、かなり小さい分子です。それが100〜200個あるいはそれ以上、鎖状につながったものがタンパク質です。タンパク質が体に入って、アミノ酸に分解されるときに老廃物が生じます。老廃物を腎臓が処理しきれなくなると、いろいろな症状が起こります。アミノ酸は小さな分子に分かれた状態ですので、腎臓に負担をかけることはほぼありません。ただし、サプリメントでアミノ酸を過剰に取ることは勧められません。一方で、腎臓に良いアミノ酸だけを組み合わせた薬もあります。