肥後医育塾公開セミナー

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平成17年度 第1回公開セミナー「動脈硬化と心臓病?その予防と治療?」

司会・講師

【座長】
熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学分野教授
小川 久雄

    【座長】
    熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学分野教授
    小川 久雄

【司会】
肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授
西 勝英

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授
    西 勝英

【講師】
国立病院機構熊本医療センター 心臓血管センター内科医長
藤本 和輝

演題:「動脈硬化はなぜ起こるか?その予防」
    【講師】
    国立病院機構熊本医療センター 心臓血管センター内科医長
    藤本 和輝

    演題:「動脈硬化はなぜ起こるか?その予防」
【講師】
熊本赤十字病院循環器科部長
緒方 康博

演題:「心筋梗塞とはどんな病気か?その治療」
    【講師】
    熊本赤十字病院循環器科部長
    緒方 康博

    演題:「心筋梗塞とはどんな病気か?その治療」
【講師】
済生会熊本病院副院長
本田 喬

演題:「心臓病救急時の対応および熊本県の心臓病救急の現状」
    【講師】
    済生会熊本病院副院長
    本田 喬

    演題:「心臓病救急時の対応および熊本県の心臓病救急の現状」
【講師】
熊本中央病院循環器科部長
大嶋 秀一

演題:「狭心症とはどんな病気か?その治療」
    【講師】
    熊本中央病院循環器科部長
    大嶋 秀一

    演題:「狭心症とはどんな病気か?その治療」
【講師】
熊本市民病院診療部長
外村 洋一

演題:「心房細動と脳梗塞の関連」
    【講師】
    熊本市民病院診療部長
    外村 洋一

    演題:「心房細動と脳梗塞の関連」

セミナーの内容

 第25回肥後医育塾公開セミナー「動脈硬化と心臓病〜その予防と治療〜」が6月12日、熊本市水前寺公園の熊本テルサで520人が参加して開かれた。(財)肥後医育振興会・(財)化学及血清療法研究所・熊本日日新聞社主催、熊本大学医学部・県・熊本市・県医師会後援。
 講師は国立病院機構熊本医療センター心臓血管センター内科医長の藤本和輝氏、熊本中央病院循環器科部長の大嶋秀一氏、熊本赤十字病院循環器科部長の緒方康博氏、熊本市民病院診療部長の外村洋一氏、済生会熊本病院副院長の本田喬氏の5人。肥後医育振興会常任理事で熊本大学名誉教授の西勝英氏が司会、熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学分野教授の小川久雄氏が座長を務め、講師の5氏がそれぞれ講演。来場者の質問に講師が答える総合討論もあった。

動脈硬化や心臓病について分かりやすい話があった「第25回肥後医育塾公開セミナー」
520人の参加者で埋まった会場

総合討論

Q 毎日血圧を測っていますが、朝の血圧が一三〇と高く、夜は一〇〇台です。朝の血圧が高いのは心筋梗塞と関係があると聞いたことがありますが。
藤本 朝の血圧が高くなることはよくありますが、一三〇なら正常範囲内ですので、ご心配いらないと思います。血圧を一定に保つのは不可能なのです。

Q 狭心症にかかっており、ステント治療を受けています。どの程度の運動なら行ってよいでしょうか。
大嶋 お答えするのが大変難しいご質問です。一般的に言って胸痛などの自覚症状がなければ、ある程度の運動は可能でしょう。できれば狭心症の治療を受けられたときの専門医や、かかりつけの医師により運動負荷検査を受けていただき、脈拍や心電図、血圧の変化を診てもらってください。それによりできる運動の範囲を処方してもらうのがいいでしょう。一般的に脈拍一二〇までの運動なら可能でしょう。

Q 脳梗塞になりワーファリン錠とジゴキシン錠を服用しています。それとは別に予防と治療方法を教えてください。
外村 一般的な生活習慣病に対する注意のほかに、脱水状態にならないように水分を多く取るようにしてください。ただ、ジュース類やスポーツ飲料は糖分が含まれカロリーが高いので、肥満になりやすいものです。茶類が適しているでしょう。

Q 家族が心筋梗塞にかかりました。治った後、家族は本人とどうかかわればよいでしょうか。
緒方 心筋梗塞の場合、退院されても一年後には二十五人に一人が亡くなっています。その原因の大部分は不整脈が占めています。AEDを家庭に備えるのは無理でしょうから、心肺蘇生法を家族の皆さんが心得ていてほしいと思います。起こりうる危険性に対処できるように、日ごろから準備をしておく事が大切です。それが突然死を防ぐことになります。それに半年や三カ月に一回というふうに定期的に専門医の診察を受けることも大切です。

Q 家族が心不全で入院しました。家族はどうすればよいでしょうか。
本田 心不全は心臓のポンプ機能が低下したために、肺にうっ血がおきたり、足がむくんだりする病気です。日ごろから体重をチェックし変化に気を付けてください。食事では塩分を控えた食事を心掛けてください。症状に応じた適度な運動も病気の進行に歯止めをかけることに有効です。欠かさず薬を服用することや、風邪をひかないことなどにも注意してください。突然心不全が悪化したなら、一刻も早く救急車を呼び、楽な姿勢で救急車の到着を待ちます。脈拍を感じないなら心肺蘇生を試みてください。