肥後医育塾公開セミナー

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平成21年度 第2回公開セミナー「慢性腎臓病(CKD)と生活の質の向上」

司会・講師

【司会】
肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野教授
遠藤 文夫

    【司会】
    肥後医育振興会常任理事・熊本大学大学院医学薬学研究部小児科学分野教授
    遠藤 文夫

【座長・講師】
熊本大学大学院医学薬学研究部腎臓内科学分野教授
冨田 公夫

演題:〈総論〉慢性腎臓病(CKD)って何?
    【座長・講師】
    熊本大学大学院医学薬学研究部腎臓内科学分野教授
    冨田 公夫

    演題:〈総論〉慢性腎臓病(CKD)って何?
【講師】
新潟大学大学院医歯学総合研究科腎・膠原病内科学教授
成田 一衛

演題:〈基調講演〉腎臓病は治るのか?
    【講師】
    新潟大学大学院医歯学総合研究科腎・膠原病内科学教授
    成田 一衛

    演題:〈基調講演〉腎臓病は治るのか?
【講師】
八代総合病院副院長
井上 武明

演題:〈講演1〉高血圧〜どこまで下げる?どうやって下げる?〜
    【講師】
    八代総合病院副院長
    井上 武明

    演題:〈講演1〉高血圧〜どこまで下げる?どうやって下げる?〜
【講師】
国立病院機構熊本医療センター腎臓内科医長
富田 正郎

演題:〈講演2〉糖尿病と腎臓
    【講師】
    国立病院機構熊本医療センター腎臓内科医長
    富田 正郎

    演題:〈講演2〉糖尿病と腎臓
【講師】
熊本中央病院腎臓科部長
有薗 健二

演題:〈講演3〉透析って何?
    【講師】
    熊本中央病院腎臓科部長
    有薗 健二

    演題:〈講演3〉透析って何?
【講師】
熊本市健康福祉局総括審議員
山内 信吾

演題:〈講演4〉熊本市のCKD(慢性腎臓病)対策について
    【講師】
    熊本市健康福祉局総括審議員
    山内 信吾

    演題:〈講演4〉熊本市のCKD(慢性腎臓病)対策について

セミナーの内容

  第38回肥後医育塾公開セミナー「慢性腎臓病(CKD)と生活の質の向上」が11月21日、熊本市のホテル熊本テルサで開かれ、約400人が聴講した。主催は、(財)肥後医育振興会、(財)化学及血清療法研究所、熊本市、熊日。後援は、熊本県、熊本県医師会、熊本大学医学部。
 肥後医育振興会常任理事で熊本大学大学院医学薬学研究部の遠藤文夫教授が司会、同研究部の冨田公夫教授が座長を務め、冨田氏を含めた専門医ら6人が、CKDの予防法や治療法などを解説したほか、生活習慣の改善の重要性を指摘した。
 続く「Q&Aコーナー」には講師全員が登壇し、来場者から事前に寄せられた質問に回答。食事の際の塩分管理や腎臓病患者の妊娠、出産などについてアドバイスした。要旨を紹介する。

約400人が参加したセミナーの会場=熊本市のホテル熊本テルサ
Q&Aコーナーでは講師全員が登壇し、参加者の質問に答えた

Q&Aコーナー

糸球体腎炎で、ステロイドを8年間飲んでいます。まだ飲み続けるべきですか。
ステロイドに副作用があることを心配されてのご質問でしょう。糸球体腎炎の場合、本来は8年間も飲み続ける必要はありません。恐らくステロイド投与が長期必要な病気がもともとあって、服用を勧められているのだと考えます。不明な点があれば、遠慮せず、主治医の先生に尋ねてみてください。

高血圧の症状があります。ラーメンが好きですが、どのくらい食べてよいですか。
ラーメンは塩分が多い食べ物の一つです。汁を全部飲んでしまうと、1日当たりの適正な塩分摂取量(約6g以下)をオーバーし、その後の食事を取れなくなります。なるべく飲まないことが望ましいでしょう。

タンパク制限食(腎臓食)の指定を受けています。肥満体ですが、腎臓病の場合「カロリーを取りなさい」とも言われます。やはり、カロリー制限をすべきでしょうか。
本当に肥満であれば、まず、やせるべきです。ここで注意すべきは、あなたが本当に肥満なのかどうかです。実はやせているのに全身がむくみ、水太りをして、体重計に乗ると太っているといったケースもあります。そうした点も踏まえ、主治医の先生と相談した方がよいと思います。

腎不全でも妊娠は可能でしょうか。
腎不全でも妊娠は可能です。しかしながら、妊娠した場合、血圧の管理が難しく、流産や早産が多いなどの危険性があります。また、血液を十分きれいにするために、週20時間以上の透析が必要とされています。これらの理由から、産科医や主治医の先生とよく相談し、計画的に行うことが必要です。可能であれば、腎移植後、免疫抑制剤が減量した時点で妊娠する方が母子ともに良い結果が期待できると考えられています。

腎移植の現状を教えてください。
腎移植には、親子や兄弟など健康な血縁者から腎臓を提供してもらう生体腎移植と、心臓死(一般的な死)や脳死で亡くなった人の腎臓を移植する献腎移植があります。日本では、年間約1000例が生体腎移植、約150〜200例が献腎移植です。内科的な管理や薬物の進歩により、腎移植の成績も向上しています。