【司会】 肥後医育振興会常任理事 熊本大学名誉教授 西 勝英 氏 |
【座長】 熊本大学医学部保険学科長 木原 信市 氏 |
【講師】 東京慈恵会医科大学医学部スポーツクリニック講師、元サッカー日本代表チームドクター 白石 稔 氏 演題:「小中学生スポーツのオーバートレーニングへの警告」 |
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【講師】 肥後の水資源愛護基金理事長・肥後銀行常任顧問 長野 吉彰 氏 演題:「夜間摂水の効能」 |
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【講師】 熊本大学医学部保険学科講師 伊藤 雅浩 氏 演題:「小中学生に適した水泳の練習法、その注意点」 |
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【講師】 信州大学医学部救急集中治療医学講座教授・同大学医学部付属病院救命救急センター長 岡元 和文 氏 演題:「高齢者の水分代謝の問題とスポーツ」 |
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第29回肥後医育塾の肥後の水資源愛護賞創立20周年を記念した公開セミナー「水と体の環境」が10月8日、熊本市の熊本テルサで開かれ、約200人が参加した。
肥後医育振興会常任理事で熊本大学名誉教授の西勝英氏が司会、熊本大学医学部保健学科長の木原信市氏が座長を務め、第1部「スポーツと水分摂取」と第2部「高齢者のスポーツと水分摂取」で四氏が講演。来場者との質疑応答も行われた。
Q 心臓マッサージは一分間に百回のスピードで、かなり早いスピードが必要なのですか。
A 昔は六十回とされていましたが、百回のスピードにした方が効果的だと分かってから変わりました。このスピードでは一人で二分間も続けていれば疲れ果ててしまいます。しかし心臓マッサージはやっているときだけ血液が流れますので、何人かいるときは、マッサージを途切れさせないようにして交代しながら続けてください。
Q 小中学生の間は成長期なので過激な運動は控えるようにとのことでしたが、姉の小学五年生と中学二年生の孫は部活でものすごく鍛えられています。スポーツの指導者はこのような医学的な見地を知っておられるのでしょうか。
A 子どものうちから勝敗にこだわるのは好ましくないと思います。しかし世の中の風潮がそういう傾向にあるので、それを根本的に変えていかなければならないと思います。プロサッカーチームの下部組織のクラブなど、小さいころから専門的な指導を行うところから変えていければと思っています。
Q 食後すぐに入浴すると、体に負担が大きいですか。
A 食後は体の熱散性が非常に大きくなります。ですから汗が出たりして余分な熱を放熱し体温を下げようとするのです。その時期に入浴まで重なるとさらに体温が上がる恐れがあります。加えて食事でいっぱいになった胃で呼吸もしづらくなっています。入浴は汗も出てお腹も落ち着いてからの方がいいでしょうね。