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肥後医育塾公開セミナー

令和3年度 第1回公開セミナー「新型コロナウイルス感染症における「診療連携」」

【講師】
熊本市新型コロナウイルス感染症対策課 副課長
迫田 貴美子

『【講演B】新型コロナウイルス感染症における保健所の活動について』
第5波への対処も計画


  熊本市保健所は人口約73万8000人の市民の健康に関わる活動をしています。新型コロナウイルス感染症に関する主な業務は、@感染確認の検査A陽性者への聞き取り(疫学調査)B療養先の調整C療養者の健康観察D入院勧告や就業規制など各種通知書作成や公費負担関係業務Eデータ分析F情報提供や啓発などです。
 検査までの流れは2通りあり、本人が体調不良を訴え検査に至るケースと、陽性者の濃厚接触者として検査を受けるケースがあります。陽性と分かると年齢や性別、住所、職業、同居家族、病歴、服薬、現在の体調や病状の経過、行動歴、職場や学校の状況、福祉サービスの利用状況などを確認します。これは濃厚接触者を特定して感染拡大防止を図り、感染者の適切な療養先を判断するためでもあります。
 行動歴については、陽性判定の1〜2週間前あたりから、いつ、どこで、誰と、どんな状況で接触したのか、福祉施設では介助者がどのくらいの距離で介助を行ったかなどを伺います。濃厚接触者となった場合は検査に案内し、検査が陰性であっても陽性者と最後に接した日から14日間は自宅待機をお願いし、不要不急の外出を控えていただきます。その間は定期的に健康観察を行い、体調変化に対応できる体制になっています。
 医師の判断で症状の重い人は入院、軽い人は宿泊療養施設へ案内し、保健所が手配した車で搬送します。自宅療養が可能と判断された人に対しては、毎日2回、電話で体調確認をします。療養終了の基準は、発症日または症状が出てから10日以上経過し、症状が軽くなって72時間を経過した時点とされています。その時点ではウイルスの感染力が低下していると分かっているので、再度PCR検査はせず、療養は終了します。
 予想される感染の第5波に向けては県と合同で宿泊療養施設を520室から680室に増やし、オンラインを活用した健康管理体制を整え、自宅療養者に対しては療養支援センターの看護師等を増やして療養者の体調変化に対応します。また自宅療養中の人が医療機関へ外来受診できるよう、医師会や医療機関への働きかけを行っています。回復期のリハビリを担当する後方支援医療機関についても協力依頼を行っています。