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肥後医育塾公開セミナー

令和2年度 第2回公開セミナー「あなたがもし「がん」にかかったら」

【講師】
熊本赤十字病院 血液腫瘍内科部長
釆田(うねだ) 志麻

『【講演@】自分にあった専門医と歩む、がんの診断と治療』
がんの専門医が治療を担当 かかりつけ医の協力も必要


   「がん」と一口に言っても、病態の範囲や、年齢・体力、家族構成、仕事や生活の状況など、取り巻く環境や背景は人それぞれです。多くの悩みや不安を抱える患者さんを支えるには、高度な知識と技量、経験を基に一人一人に合った治療を一緒に考え、実行できるがん治療の専門医が必要になります。
 そのため各都道府県には「がん診療連携拠点病院」が指定されています。そこには科学的根拠に基づいた治療を行う医師のほか、がんに詳しい看護師や薬剤師、ソーシャルワーカー・栄養士・リハビリテーションの療法士などがいるほか、必要な相談や支援を担当するスタッフがいます。
 県内では都道府県がん診療連携拠点病院である熊本大学病院のほか、国指定の地域がん診療拠点病院として、熊本赤十字病院、済生会熊本病院、国立病院機構熊本医療センター、荒尾市民病院、熊本労災病院、人吉医療センターがあります。
 県が指定する地域がん診療拠点病院としては、熊本中央病院、熊本地域医療センター、くまもと森都総合病院、高野病院、山鹿市民医療センター、熊本再春医療センター、阿蘇医療センター、熊本南病院、熊本総合病院、水俣医療センター、天草中央総合病院、天草地域医療センターがあります。
 これらの拠点病院を受診するには、緊急時や健康診断機関からの紹介ということもありますが、かかりつけ医から紹介してもらうのが一般的です。
 拠点病院でがんと診断されると、複数の診療科の医師が治療に携わりますが、その中に腫瘍内科という専門医があります。
 腫瘍内科は抗がん剤の専門家として化学治療を担当します。また、乳がんと大腸がんなど同時に複数のがんの治療が必要な患者さんには、それぞれの病態においての優先度を考えた治療や、従来の臓器別の診療科では分類できない疾患の治療も担当します。さらに、手術・放射線治療・リハビリなどの集学的治療の手配や、訪問診療、緩和ケア病棟など専門的緩和ケアへつなぐ*割も担っています。
 手術後の経過観察期間・化学療法中には、体調の変化など何でも相談できる(プライマリ・ケアといいます)身近なかかりつけの先生の力が大切です。「がんの診断・治療」の専門医である拠点病院の医師とプライマリ・ケアの専門医である地域のかかりつけ医の、両方の力を借りて、ぜひご自身・ご家族にとって最良の治療を受けてください。