【講師】 |
『講演Cいつまでも元気に歩こう〜ロコモ対策で健康長寿〜』
運動機能の低下 早く知り 歩行能力の維持・改善を
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は体の運動器の障害のために立つ、歩くなどの移動能力が低下した状態をいいます。ロコモが進行すると、介護が必要になるリスクが上昇。加齢によるバランス能力や筋力の低下、変形性膝関節症や脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などの骨や関節の病気などがロコモを引き起こす原因となります。
健康長寿を獲得するには、運動機能の低下を早期に発見し、その改善に努めることが重要です。運動機能低下を自分で確かめるには、次の7つのロコチェックを行ってください。
@1gの牛乳パック2つ程度を買って持ち帰るのが重くて難しいA布団の上げ下ろしや掃除機を使うなどができにくいB家の中でつまずいたり滑ったりするC15分くらい続けて歩けないD横断歩道を信号が青の間に渡り切れないE階段を上るのに手すりが必要F片脚立ちで靴下を履けない─。以上の項目のいずれか1つでも当てはまる人は、ロコモの心配があります。
ロコモかどうか調べるには次の2つのロコモ度テストを行います。まずは立ち上がりテスト。これは40・30・20aの台を用意し、まず40aの台に座った姿勢から反動を付けず両脚で立ち上がります。これができた人は片脚で立ち上がります。これは下肢の筋力を調べるテストです。次に2ステップテスト。大股で2歩進みその距離を測ります。片脚で40aの台から立ち上がれない、または大股で2歩進んだ距離が約2b未満の人はロコモと考えられます。
要介護にならないためには、バランス能力と足腰の筋力を高め、歩行能力を維持・改善することが重要です。バランス能力を鍛えるには開眼片脚立ち、足腰の筋力を鍛えるにはスクワットが最も基本的な方法になります。
開眼片脚立ちは安全のため、つかまるものがある場所で、左右それぞれ1分間片脚で立ち、これを1日3回行います。このトレーニングは「ダイナミックフラミンゴ体操」とも呼ばれ、1分間の片脚立ちは53分歩くのと同じ運動量になるというデータが出ています。スクワットはいすに座る要領でゆっくりとお尻を下ろした後、元の姿勢に戻ります。深呼吸をするペースで5〜6回繰り返し、これを1日3回行います。痛みを感じた場合はお尻を下ろし過ぎないようにし、机などを支えに使って安全に行ってください。開眼片脚立ちやスクワットを続ければ、転倒や骨折をする頻度が半減します。
何か体操を行っている人は、無理をせず、その体操も続けてください。大切なのは継続することです。そしていつまでも自分の力で歩き、健康で長生きしていただきたいですね。