【講師】 |
『糖尿病にならないための運動習慣』
筋トレ′p続に 予防効果期待
買い物も旅行も自由に行ける元気な高齢者でも、筋力トレーニングをしないと年々、筋肉は減っていきます。筋肉が減って困ることは少なくありません。力が衰えるので歩くスピードが遅くなります。布団の上げ下ろしもきつくなります。また、安静時の代謝が落ちるので、じっとしているときのカロリーの消費量が少なくなって、太りやすくなります。さらに、体形が崩れたり、おなかの中の筋肉が衰えて姿勢も悪くなります。
また、足を引き上げる力も衰えるので、すり足で歩くようになり、つまずきやすくなります。それから、関節への衝撃を吸収できなくなるため、膝関節や股関節への負担が増え、関節痛につながります。加えて、筋肉は糖分を蓄える機能があるのですが、筋肉が衰えるとその糖分の行き場がなくなって、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病のリスクも高まります。
これは老化現象なので仕方がないのかというと、そうではありません。70歳を過ぎても筋トレを継続すれば筋肉が増えるという研究結果もあります。何歳まで増えるのかと問われれば、84歳の方までは確認していますし、私は何歳になっても筋肉は増えていくと考えています。その他、HDLコレステロール値やHbA1c、インスリン抵抗性が改善することも分かっているので、糖尿病予防の効果も期待できます。ただし、それには条件が2つあります。1つは正しい方法でやること、2つ目は続けることです。
ぜひ、1日10分程度で終わる「スロー筋トレ」をやってみてください。インターネットで「http://goo.gl/MYefZ」にアクセスすれば、エクササイズ動画を見ることができます。「くまモンとハッピーエクササイズ!」というDVDも出しています。お子さんやお孫さんと一緒にやってみてください。