肥後医育塾公開セミナー

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平成28年度 第2回公開セミナー「みんなで減らそう、糖尿病!」

【講師】
熊本大学医学部附属病院栄養管理部栄養管理室長
三島 裕子(ゆうこ)

『糖尿病にならないための食事習慣とは?』
食習慣のチェックで 生活習慣病防ぐ


   糖尿病にならないためには、食習慣をチェックしてみてください。食べるのが早い、お菓子や甘いものが大好き、たくさん食べる、何かをしながら食べる、お酒が大好き、野菜をあまり食べない、お酒を飲んだ後のラーメンが大好き、おなかいっぱいでも残さず食べる、ストレスが多い─。これらのうちで該当する項目が多いほど、糖尿病など生活習慣病の発症リスクが高くなりますので、食習慣を改善する必要があります。
 改善のポイントは、@1日に必要なエネルギー量を守る、A栄養バランスを整える、B食事は1日3回規則正しく取る─の3点に気を付けることです。
 1点目の1日に必要なエネルギー量(キロi)は、標準体重(キログラム)×運動量に見合った指数で計算します。標準体重は身長(メートル)の2乗に22(標準BMI)を掛けて求めます。運動量に見合った指数とは、デスクワーク主体の軽労働者は25〜30、立ち仕事主体の中労働者は30〜35、力仕事主体の重労働者は35が目安です。BMIは肥満度を表し、体重を身長の2乗で割って求め、22が標準値で、25以上は肥満です。
 2点目の栄養では、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランス良く取ってください。ご飯やパンなど糖質を多く含む主食、肉や魚、卵、大豆製品などタンパク質を多く含む主菜、キノコや野菜など食物繊維やビタミン、ミネラルを多く含む副菜を献立の基本とし、食事の時は食物繊維が豊富な副菜から食べると、食後の血糖値の上昇が緩やかになるといわれています。
 食事の回数についてのポイントは、朝食をきちんと食べるということです。1日2食の人と3食の人を比較すると、2食の人は食後の血糖値が3食の人より高く、多くのインスリン分泌が必要になるため膵臓(すいぞう)に負担がかかり、インスリン分泌を悪くすることにもつながります。
 高カロリーで栄養バランスが偏りがちな外食では、単品より定食にして食べ過ぎないといった工夫をし、食習慣の改善に努めてください。