肥後医育塾公開セミナー

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平成12年度 第3回公開セミナー「増え続ける肺がん 予防と早期発見で」

【講師】
熊本大学医学部第一内科助教授
菅 守隆

『「肺がんを早く見つけるために?もしものための検診のススメ?」』
症状が出れば手遅れ 生存率高める検診を


   肺がんには十数種類あり、主なものは腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんの四つです。これらはさらに肺がんの治療法に関連して小細胞がんとその他の肺がんに分けられます。  

 肺がんは病気の進展度によって???期に大きく分けられます。?期はがん組織が小さく、リンパ節やほかの臓器に転移がない早期がん。熊本大学第一内科のデータでは、?期の肺がんは治療後八〇%の人が五?十年生きていますが、?期、?期と症状が進むと一、二年で亡くなっています。従って?期の肺がんをいかに早く見つけるかが重要になります。  

 肺がんには十数種類あり、主なものは腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんの四つです。これらはさらに肺がんの治療法に関連して小細胞がんとその他の肺がんに分けられます。  肺がんは病気の進展度によって???期に大きく分けられます。?期はがん組織が小さく、リンパ節やほかの臓器に転移がない早期がん。熊本大学第一内科のデータでは、?期の肺がんは治療後八〇%の人が五?十年生きていますが、?期、?期と症状が進むと一、二年で亡くなっています。従って?期の肺がんをいかに早く見つけるかが重要になります。  

 肺がんの症状にはせきやたんが多い、血たんが出る、発熱、呼吸困難、胸痛などがあります。なかでもたんに血が混じると、だれもがどきっとすることでしょう。

 熊本地域医療センターの「血たん外来」を受診した人のうち、肺がんと診断される人は七?八%だそうです。そのうち?期の人はわずか八%しかいません。たんに血が混じってくると、多くは?期、?期に進んでいる状況なのです。つまり肺がんは症状が出てからでは遅いのです。  

 そこで検診のススメです。熊本大学第一内科の調査によると、検診で発見された人の肺がんは?期の症例が多いため、予後も非常にいいと報告されています。  

 さらに第一内科では一九九五年から、胸のレントゲン写真をらせん状に撮影するヘリカルCTを導入して精密検査を行っています。これにより、?期Aという最も早期のがんの発見が増えてきました。また、この検査で、偶然にがんが発見されるなどの例がいくつも出ています。  

  このヘリカルCTを通常の肺がん検診で用いる試みがいま、一つのトピックスになっています。

 「東京からがんをなくす会」は九三年からヘリカルCTで検診を行っています。その報告によると、CT導入前は?期で見つかる肺がんは五〇%程度だったのに対し、CT導入後は八〇%に増えたということです。見つかるがんの大きさも、CT導入前は平均三?くらいでしたが、CT導入後には平均一・五?と小さいがんも発見できるようになっています。  

  熊本県でも、レントゲン検診とCT検診との成績を比較すると、レントゲン写真で見つかる肺がんのうち?期は四〇?五〇%にすぎませんが、CTを使って見つかるがんの八〇%は?期で、しかもたくさん見つけることができます。このためCT導入後には、生存率が非常に高まりました。

  肺がんの一次予防は禁煙。そして二次予防として重要なのは検診を受けることです。その方法も今後はCTを使ったがん検診を導入していくことが望まれるでしょう。