【座長】 |
『増加傾向なお20?30年も』
現在、日本の総人口は一億二千八百万人といわれ、毎年およそ百万人が亡くなっています。そのうち、がんで亡くなる人は約二十九万人。今後、国民の三人に一人が、がんで亡くなる時代が来るといわれています。
がんの中で最も多いのが肺がんで、毎年五万二千人が亡くなっています。
死因の変化をみると、終戦当時は国民病といわれた肺結核で亡くなる人が多かったのですが、食生活の欧米化とともに脳血管障害や心臓疾患が増加しました。しかし、これらは生活習慣や食生活を管理することで徐々に減少していきました。
ところが肺がんだけは増え続けており、熊本県でも多くの人が亡くなっています。この傾向はおそらく今後二十?三十年にわたり続くと推測され、肺がん対策が重要なポイントになっています。
がんにならないために、またがんを治すために、今回は肺がんに対する予防と治療について、皆様と共に学んでいこうと思います。