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「あれんじ」 2022年11月5日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニックQ&A】
口唇口蓋裂(こうしんこうれつがい)

 Q もうすぐ出産します。口唇口蓋裂という先天性の赤ちゃんの病気があると聞きました。

症状や成長に応じた治療が必要 チーム医療で良好な結果に

●500人に1人程度の割合で発症
 口唇口蓋裂とは、口唇や上顎(口蓋)の一部が開いた状態で生まれることをいい、およそ500人に1人の赤ちゃんに起こります。口唇裂だけ、口蓋裂だけ、その両方がある場合など症状はさまざまです。
 そのままではお乳を飲んだり、言葉を話したりすることに影響が出ますので、早めの手術や言語治療が必要です。場合によっては、歯並びの治療をすることも必要になってきます。
 最近では手術法が確立され、術後の言語指導も導入されていますので、顔の表情や発音なども正常と同等な状態にまで改善できます。
 口唇口蓋裂の赤ちゃんが生まれたらすぐに、もし出生前診断で分かった場合には出生前から、専門の医療機関に相談すると安心です。

●治療には多様な職種が協力
 口唇口蓋裂の治療として、例えば当院では年間100件以上の手術(令和2年度)を行っていますが、その種類として、口唇口蓋裂初回手術、修正手術、顎裂部骨移植術、上下顎骨骨切移動術などが含まれます。
 症状や成長に応じた治療が必要なため、赤ちゃんの時から成人になるまで長いお付き合いが続いていくことになります。
 また、口唇口蓋裂の治療にはいろいろな職種の協力が必要です。形成外科医による手術療法、言語聴覚士による言葉の評価や訓練、矯正歯科医による歯並びの治療、耳鼻科医による滲出(しんしゅつ)性中耳炎の治療、小児科医による健康管理、ソーシャルワーカーによる育成医療の相談など、病院内外でのチーム医療が必要とされます。


熊本機能病院形成外科
副院長
小薗 喜久夫