【四季の風】
第47回 虫の声
「虫」や「虫鳴く」は、俳句では秋の季語。ただの「音」ではなくて虫の「声」とも言うように、私たちは昔から虫の声の風情が大好き。 |
よき酒もあり虫聞きに来よといふ 中正 |
かつて平安時代、「虫聞き」は宮中の遊びだったが、江戸時代には春の花見と同様、人々は広尾や道灌山あたりに虫の声を聞きに行って遊んだ。こんな風流はとうになくなったかと思っていたら、以前一度高森町から、虫聞きの俳句会に来ませんかという話があった。月もきれいで、もちろん「よき酒」もあって、楽しい一夜だった。 |