あれんじのページ

「あれんじ」 2019年10月5日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
母子感染

最近のニュースで風疹が話題になっています。何が問題なのですか?

30〜50代の成人男性に多い風疹

 風疹にはあまり怖い病気のイメージがないかもしれません。しかし、妊娠20週ころまでの女性が感染すると、胎盤を介しておなかの赤ちゃんに感染する(母子感染)ことがあります。この場合、目、耳、心臓などに障害を持つ子が生まれることがあるのです。

 国内では今年の風疹患者数が2千人を超えたため、8月21日に緊急情報が発表されました。以前は幼稚園などを中心に流行していましたが、最近の予防接種の効果もあり子どもの感染は減っています。

 一方で、予防接種がなかった時期に生まれた現在30〜50代の成人男性を中心に感染が発生し、家族に感染してしまうことが問題となっています。そのため、この年齢の男性を対象に風疹の抗体検査を行うよう市町村から通知が届いた方もおられると思います。熊本市は無料券を対象者に郵送で配布しています。家族や周囲の人を守る大事な検査ですので必ず受けるようにしましょう。


正確な知識と責任ある対応を

 その他、問題となる母子感染は、トキソプラズマ、梅毒、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスが有名で、頭文字をとってTORCH(トーチ)と呼ばれています。いずれも日本人の抗体保有率が低下しており、免疫のないお母さんが増えています。

 免疫のない女性が妊娠初期に感染することで、赤ちゃんが病気(脳、心臓、耳、目など)になる場合があります。詳しくは、「トーチの会」のホームページに分かりやすく注意点と対策が記載されていますので、ご覧ください。

 大人が正確な知識を持ち、責任を持った対応をし、子どもたちの未来を守りましょう。


熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
松本志郎 准教授