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「あれんじ」 2018年10月6日号

【元気の処方箋】
夏バテから体を目覚めさせよう!家庭でできるエクササイズ(2)正しい姿勢・深い呼吸で心身をリフレッシュ〜ヨガ編〜

 夏バテから体を目覚めさせるエクササイズとして、9/1号ではおなか周りに働きかけるピラティスを紹介しました。シリーズ2回目の今回は、正しい姿勢・質の高い呼吸によって自律神経を整え、心身のリフレッシュを図るヨガをお伝えします。

【はじめに】自律神経を整えて、この時季特有の不調を改善

 10月に入ると、熊本でもさすがに秋の爽やかさを感じられます。猛暑が和らいでほっとするとともに、急に疲れが出たという経験をした人も多いのではないでしょうか。

 この時季は、日によって、また一日の中でも気温差が大きいこともあり、体調を崩すケースが見られます。食欲不振や不眠、倦怠感、イライラ、憂鬱(ゆううつ)などを感じていたら、要注意。自律神経が乱れているのかもしれません。

 自律神経は、呼吸、循環、物質代謝など生命維持にとって不可欠な働きを調整しています。心身を緊張、興奮させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」という正反対に働く神経がありますが、このバランスが崩れたり、過剰に緊張することなどで不調が現れます。

 自律神経は私たちの意志とは無関係に働き、コントロールすることができません。しかし、呼吸には自律神経を整える効果があるといわれています。呼吸は意識的に変えられます。良い呼吸を心掛けましょう。

 良い呼吸に大事なのは、

◎正しい姿勢
姿勢が悪いと、呼吸が浅くなります。正しい姿勢のために、背骨を整えましょう

◎深い呼吸
肺の隅々まで酸素を取り込むような深い呼吸をするためには、胸郭(肋骨周囲)を柔軟に保ちましょう


【図】正しい姿勢のポイント

(1)横から見たときに、耳と肩が直線上になる

(2)壁に頭からかかとまでつけて立ったとき、壁と腰の間に手のひらがやっと差し込める程度

(3)腰骨と恥骨を結ぶ三角形を両手で作る。この三角形が床に対して垂直になる

※指先(恥骨部分)が引っ込んでいれば、前傾。前に出ていれば後傾している


【質の良い呼吸に導く「ヨガ」にトライ!】

 ヨガは、体の状態を確かめながらゆっくりとした動作でポーズを行います。「どうしてもここまでしなければならない」というものではありません。

 自分にとってちょうど良いところでポーズを維持しましょう。


【亀のポーズ】

(1)ひざを曲げてゆっくり座り、両手をひざの下をくぐらせ、手のひらを床につける(カメの甲羅から足が出ているように)。

(2)息を吐きながら、背中を丸める。背中が広がっていることを意識して、30秒ほどその姿勢を保ちながら呼吸を繰り返す。

難しい場合は…【簡単変換バージョン】で
「上手にできないな」と感じたら、無理をしなくても大丈夫です。同様の効果を得られる簡単変換バージョンを紹介します。

ひたいをイスの座面の手前につけ、手を頭の先に置く。なるべく背中を丸め、背中が広がるような姿勢をとって、30秒ほど呼吸する。


【魚のポーズ】

(1)仰向けに寝て、腕を体側に付け、肘を90度に曲げる。手の甲が足元の方、指を頭の方にして、手を握る。手首は伸ばした状態に保つ。

(2)背中を床から浮かせていき胸を反らす。頭の上の方(本来は頭頂部。寝ている時は後頭部が付いている)が床に付くように顎を上げ首を反らす。30秒ほどその姿勢を保ちながら呼吸を繰り返す。

【簡単変換バージョン】
枕など写真程度の厚みのものを、腰よりちょっと上あたりに入れ、普通に呼吸する。腰痛がある場合は、こちらのやり方で。


【逆英雄のポーズ】

(1)肩幅の1.5倍から2倍ほどの広さに足を置き、右足は180度、左足は90度の角度に足先を向ける。骨盤は床と平行になるように。

(2)息を吐きながら、右足(180度の角度に足を置いた方)の膝を90度になるくらいまで曲げる。

(3)息を吸いながら上に上げていく腕を見上げるように、上体を左側にカーブさせ、呼吸しながら10秒ほどキープ。
※ 左右を換えて同様に行う。


【簡単変換バージョン】

(1)いすの座面手前の左端にお尻を軽く乗せて座る。

(2)そこから右足は足先を180度に向けて、膝が90度になるよう曲げて脚を広げ、左足は足先を前に向けて伸ばす。

(3)立って行うときと同様に。


【終わりに】時々深呼吸をするだけでも

 内臓をガードルのように包み込む「腹横筋」 最近は、前かがみでうつむきがちの、いわゆる「スマホ姿勢」で長い時間過ごす人が多いようです。この姿勢は肺を圧迫し、よくありません。まずは普段の自分の姿勢を見直しましょう。

 そして、ヨガのポーズを取れないときでも、よい姿勢を心掛け、時に深呼吸をするだけでもリラックス効果を得られますよ。


教えてくれたのは
株式会社ソニックアーツ 代表取締役
スタジオ「Work Arts(ワークアーツ)」代表
吉田かおりさん

フィットネスインストラクター。熊本市中央区水前寺と上通の2つのスタジオで、ピラティスを中心としたボディーメークエクササイズを指導。インストラクター業界誌で「インストラクター・オブ・ザ・イヤー2015」を受賞。