【元気!の処方箋】
健康法としての歩くと走るの基本
スポーツの秋。何か運動を始めたいけれど、何がいいのか、どうしたらいいのか…と、一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、健康増進や筋力、体力づくりに良いと言われている「歩く」や「走る」の健康効果や、それを得るための正しい方法、気を付けたいことなどをお伝えします。取材・文=坂本ミオ |
【はじめに】 |
「歩く」運動はウオーキング、「走る」運動にはジョギング、ランニングがあります。ジョギングは、歩くことから発展した、呼吸が苦しくならない程度の駆け足。ランニングは、速いスピードで長距離を走ることを指します。 |
【Q「歩く」と「走る」 どう違う?】 |
◎どちらも有酸素運動 大きな違いは足への負担 |
【Q「歩く」や「走る」は何にいいの?】 |
◎生活習慣病の予防・改善に 筋力・体力づくりに◎ |
【Q気を付けるべきことを教えてください。】 |
◎靴の状態をチェック、ケア 有効な水分補給を |
【Qウオーキングの正しいフォームや頻度、運動のタイミングは?】 |
図1
◎腰が回転するくらいの歩幅で無理せず継続を |
【癖を確認】 |
図2
歩くときの足の運びに目を向けると、図2のようになります。 |
【歩幅を広く】 |
【図3】
身長の高い人と低い人の歩行を比べると… ※身長によって歩幅は変わります。 上から見たとき、Bのように腰が大きく動くくらいの歩幅が望ましいです。 効果的なウオーキングには、「歩幅を広く」とよく言われます。その理由は、大きく歩幅を取ることで腰の回転が生まれ、上半身を含め、より多くの筋肉を使うことができるからです(図3)。これが老化防止にもつながります。 |
●頻度 |
厚生労働省では、1日30分週2回以上の運動を、1年以上継続している者を、【運動習慣者】と定義しています。まずは、これを一つの目標にするといいと思います。 |
● タイミング |
ご自身の生活リズムの中で無理をしない時間帯に習慣化することが一番です。ただ、食後は2時間くらいおいてからの方がいいでしょうし、寒い冬場に朝起きてすぐに歩くといったことは避けましょう。 |
話を聞いたのは |
熊本大学教育学部
生涯スポーツ福祉学科 博士(医学) 井福 裕俊 教授 ・日本運動生理学会評議員 ・日本体力医学会評議員 ・日本生理学会評議員 ・鹿屋体育大学客員教授 |