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肥後医育塾公開セミナー

平成25年度 第2回公開セミナー「心臓病にならないために」

【講師】
熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学
掃本 誠治

『《第3部 治療/不整脈・狭心症、心筋梗塞の観点から》 講演5 狭心症、心筋梗塞の診断と治療』
生活習慣病改善が重要


   狭心症と心筋梗塞の内科的な治療を中心にお話しします。
 これらの病気の原因となる動脈硬化は一般に、血管が徐々に狭くなり、やがて閉塞するものだと思われがちですが、実際、心筋梗塞の約3分の2は狭窄がないところから発生しています。血管内の動脈硬化の箇所に亀裂が入り、一気に血栓ができて閉塞します。このときは緊急で治療します。
 一般的な療法としては、過労や精神的興奮、寒冷、過食を避けることと、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙、肥満など生活習慣病の改善やコントロールが重要になります。また内服薬を使い血圧や脈拍を抑え、血管を広げて血液をサラサラにすることも必要です。それでも症状が治まらないときは、血行再建術として、ステント治療や開胸によるバイパス手術を行います。
 ステント治療はカテーテルを血管に入れ、詰まった箇所にステントという小さな金網状の筒を装着して血管を広げる局所治療です。1977年に始まったカテーテルを使った風船治療から発展した治療法です。
 カテーテルを使った治療にはこのほか、血管が石灰化して硬くなったとき、ダイヤモンドの粉が付いたドリルで削るローターブレーターや、レーザーで詰まった血管を通すエキシマレーザーなどがあります。
 2007年には、(条件付きですが)緊急でない安定した狭心症ではカテーテル治療と内服治療の結果にほとんど違いがないことが報告されています。最近は、血管の再狭窄を減らす薬剤が塗られたステントによる治療も登場し、治療成績が格段に向上してきました。
 ただ悩ましい点もあります。ステント治療後に血栓症予防のため、血液をサラサラにする2種類の薬を数カ月から1年間飲む必要がありますが、その間けがをしたり、手術が必要になったりした場合、薬を休止することがあるかもしれないということです。
 それだけに狭心症や心筋梗塞は、まずは予防が大切です。栄養バランスの良い食事を規則正しく取る。適度な運動をする―など、生活習慣の改善に努めてください。