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2008年 「まいらいふ」9月号

早朝散歩中に、胸に変な締めつけ感があります
最近、早朝に散歩をしていると胸が締めつけられるような感じがあります。昼間、営業の仕事で外を歩き回っている時はどうもないのですが…。もしかして心臓が悪いのでしょうか。(53歳 男性)

症 状

 お話だけではっきり断定することはできませんが、昼間の激しい運動ではどうもないのに、早朝の軽い運動で胸の締めつけ感が起きるというのは、狭心症に特徴的な症状の一つです。狭心症の中で「冠れん縮性狭心症」は、特に夜間から早朝にかけての安静時や軽い運動で胸が締めつけられるような感じが起こるのが特徴です。症状の持続時間は数分から15分程度で、痛みはしばしば左肩、首すじ、あご、歯ぐきなどに広がることもあります。また、過呼吸やお酒を飲んだ時、寒いところに出た時などに症状が現れることがあります。


原 因

 心臓の筋肉に酸素を送っている冠動脈という血管がけいれんし、縮まってしまうために、血液の流れが滞り、心臓の筋肉に酸素が足りない状態を引き起こすことが主な原因です(これが狭心症発作です)。
 冠動脈にけいれんが起こる詳しい原因はまだ分かっていませんが、喫煙、脂質異常、糖尿病、高血圧などの環境的要因によって、冠動脈がダメージを受けることが原因の一つといわれています。また、この病気は欧米人に比べて日本人に多いという特徴があることから、おそらく遺伝的な要因もかかわっているといわれています。


治療法・改善策・予防法
熊本大学
医学部附属病院
循環器内科
講師
海北幸一

 薬による治療の前に、禁煙、血圧管理、適正な体重の維持、血糖やコレステロールの管理、過労、精神的ストレスの回避や節酒などの日常生活の管理が重要です。この中で、タバコがこの病気の一番の危険因子であるといわれていますので、禁煙は重要な予防法です。
 飲み薬としては、従来から、硝酸薬(いわゆるニトログリセリンなど)と、血圧を下げる作用のあるカルシウム拮抗(きっこう)薬が、発作の治療や予防に効果を示す薬として知られています。
 まずは、あなたの症状が本当にこの病気によるものであるかを診断してもらうことが大切です。このような症状がある場合は、入院して詳しく検査することもありますので、なるべく早めに近くの循環器専門病院を受診し、専門医の指示を受けることをお勧めします。