「無症候性脳梗塞」とはどんな病気ですか? |
脳ドック検査で「無症候性脳梗塞」と言われました。どんな病気で、日常生活ではどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。(55歳 男性) |
症候性脳梗塞と無症候性脳梗塞 |
脳梗塞(こうそく)とは、脳の血管が詰まり、栄養や酸素の供給を受けられなくなった部分の脳細胞が死滅してしまう状態をいいます。それによって、傷害を受けた部位の脳の機能障害が起こり、手足の動きが悪くなったり、言葉がもつれたり、といった症状が出現した場合を、「症候性脳梗塞」といいます。 |
無症候性脳梗塞の頻度・傾向 |
無症候性脳梗塞は、脳ドックを受診した健常成人の約16%に認められ、年齢とともにその頻度は上昇します。70歳以上では約35%に認められたという報告もあります。また、無症候性脳梗塞を指摘された人が、将来「脳卒中(症候性脳梗塞を含めて症状が強い脳の血管障害を指します)」を発症する頻度は年間約3%といわれており、ない人に比べて10倍も高いと報告されています。 |
原因・予防法 |
熊本大学医学部附属病院
脳神経外科 講師 甲斐 豊 そこで、症候性にならないように予防するために、危険因子の管理が重要となってきます。「無症候性脳梗塞」の危険因子には、加齢、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓の不整脈、頸(けい)部の動脈狭窄(きょうさく)、血液の凝固亢進(こうしん)状態(ドロドロ血)などがあります。 |