「内臓脂肪型肥満」って何だろう? |
それほど太っているようには見えない夫(49歳)ですが、ここ2、3年でおなか周りが大きくなりました。本人は「中年太り」と笑っていますが、最近よく聞く「内臓脂肪型肥満」でしょうか。 |
内臓脂肪型肥満とは |
脂肪が必要以上に蓄積した状態が「肥満」ですが、内臓脂肪型肥満とは、主におなかの中の内臓の周囲、具体的には腸間膜※1という部分に、大量の脂肪がたまった状態のことです。また、肥満でなくとも内臓脂肪がたまっている人もいます。楽な姿勢で息を軽く吐き、一番周囲の長そうな場所(普通はおへそのあたり)をメジャーで測ります。男性で85センチ、女性で90センチ以上あれば、内臓脂肪が蓄積していると推定され、この条件を満たすと、メタボリックシンドロームの「有資格者」と判定されます。 |
原因 |
肥満の原因は、エネルギーの収支が黒字であることです。収入の部は、飲食によるエネルギー摂取。支出の部は、基礎代謝(安静時の消費エネルギー)、運動による消費エネルギー、食事熱(消化・吸収のために必要な消費エネルギー)の3つを合わせたものです。基礎代謝には個人差があるため、同じ食事、同じ運動をしても、脂肪の蓄積に差がつきます。たまる脂肪は、皮下脂肪と、前述の内臓脂肪の2つに分けられます。詳しいことは省略しますが、皮下脂肪は善玉脂肪で、内臓脂肪は悪玉脂肪であると言ってよいでしょう。 |
改善策・予防法 |
熊本大学医学部附属病院
代謝・内分泌内科 講師 宮村信博 食事や運動などの生活習慣を改善しましょう。動物性脂肪と単純糖質(お砂糖などを使用した甘い食品)を極力控え、息が少しはずむ程度の運動(有酸素運動)をできるだけ長く行いましょう。下半身の筋肉を使う運動(ウオーキング、ハイキング、ジョギングなど)が効果的です。全身の運動でエネルギーの収支バランスが赤字になったとき、その分を補うために、体内にある各所の脂肪が、燃焼しやすい順番で使われていくのです。幸い、内臓脂肪の方が先に使われるため、皮下脂肪よりも減らしやすくなっています。 |