まいらいふのページ

2009年 「まいらいふ」3月号

コンピューターから診療情報が漏れないか、心配です
「インターネットに子どもの成績や住所氏名が載っている」、「クレジットカード情報が盗まれた」などのニュースを見て不安になります。「数十万人の診療情報が漏えい」などということが身近に起きないか、心配です。(59歳 女性)

情報流出の原因と症状

 主な原因は、ファイル交換ソフト・ウイルスです。ファイル交換ソフトは「ウイニー」が有名ですが、ほかにも「シェアー」や「ドンキー」など多数あります。音楽ファイルや映画、アニメなどを無料で入手できるため、違法行為にもかかわらず利用が絶えないソフトです。しかし「交換」ソフトの命名に注意してください。代償として自分のパソコンの中身を世界中に公開してしまうことになります。本来、一部しか公開しないものですが、機能上悪質なウイルスに非常に感染しやすく、結果として、パソコンの中身すべてが、本人が気づかないまま世界中にさらされます。「パソコン情報暴露ソフト」と呼んだほうが適切かもしれません。暴露された情報を著名な掲示板に転載して世間の話題になることを楽しむ人物もいます。
 そのほかの原因に、パソコンやUSBメモリーの紛失・盗難があります。拾得者や窃盗(せっとう)者が、中にある情報を「名簿屋」に売り渡したり、インターネットの掲示板にさらしたりするのです。
 その結果、本人は、職場での懲戒処分、民事訴訟、著作権法違反、個人情報保護法違反、ある種の資格剥奪(はくだつ)、クレジットの支払いなど、さまざまな危機にさらされることになります。


治療法(対処法)

 インターネットに漏えいされた情報を削除する手段はいまだにありません。世界中に散らばり、半永久的に出回ると考えられます。


予防法

 (1)アンチウイルスソフトを使用する。年間数千円は最低必要な経費です (2)ファイル交換ソフトを絶対使用しない。一度でもインストールしたら、パソコンを購入時の状態に戻す必要があります(3)パソコンにパスワードを設定する。これで第三者が使えないようにします (4)パソコンのハードディスクを暗号化する。購入時に一度設定するだけで、万一盗難にあっても中身を守ることができます(5)強制暗号化USBメモリーを使用する。一個数千円です。これで、万一紛失しても中身を守ることができます。最近のものは、ある回数パスワードを間違うと自動消去が働きます
 私たちは、このような処置を施し、個人情報や診療情報が万が一にも流出することがないようにしています。