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2008年 「まいらいふ」8月号

子どもの予防接種の順番は?

集団接種と個別接種があります

 注射や飲み薬によって、病気への抵抗力を付けるために行う予防接種。期間が決まっているものや受け方が変更されているものもあり、どれを先に受けたらよいか迷うことがあります。
 予防接種には、決められた時期に保健センターなどで集団で受けるもの(集団接種)と、近くの小児科などで受けるもの(個別接種)とがあります。集団で受けるものにはBCG、近くの小児科などで受けるものには三種混合、麻しん風しん混合などがあります。ただし、熊本市では今年の7月から、BCGも個別に受けることになりました。


早く接種したいBCGと三種混合

 予防接種の順番を決めるときに考えるのは、?いつまでに抵抗力をつけたらよいのか?いつ集団接種があるのかです。抵抗力を付けるために早く接種したいのはBCGと三種混合です。
 BCGは、赤ちゃんの結核を予防するために行います。接種の時期があまり遅いと、知らないうちに結核にかかっていることがあります。生後3カ月になったらまずBCGを受けましょう。
 次は、三種混合です。三種混合はジフテリア、百日咳(ひゃくにちぜき)、破傷風(はしょうふう)の3つを予防する混合ワクチンです。赤ちゃんが百日咳にかかると命にかかわることがあるので、早めに受けるようになっています。三種混合1期と呼ばれる3回の注射を、約1カ月ごとに続けて受けてください。その後で1回目のポリオです。
 ポリオは1年の間に何度か集団接種が行われています。ポリオの1回目までを、他の予防接種と重ならない時期に済ませてください。


受けていないものがないか 母子手帳を見直して
熊本大学医学部附属病院
小児科
助教 中村公俊

 1歳になって最初に受けるのは、麻しん風しん混合です。最近では、大人にも麻しんが流行することがあります。命にかかわる病気なので、1歳になったらすぐに済ませてしまいます。生まれた月によっては、ポリオの集団接種と時期が重なることがあります。そのときは麻しん風しん混合を先に受けます。そして2歳までの間に、三種混合の1期追加を忘れずに受けてください。
 時期があまり決まっていないものに、おたふくかぜ、水痘(すいとう)(みずぼうそう)などの予防接種があります。これらは幼稚園、保育園などの集団生活を始める前に受けておくとよいでしょう。
 ところで、麻しん風しん混合は、小学校入学前の1年間に2回目を受けることになっています。この2回目の注射は最近始まったため、平成24年度までのことですが、中学1年生と高校3年生が麻しん風しん混合の2回目を無料で受けられる特例が設けられています。大きな子どもさんでも、もう一度、母子手帳を見直してみましょう。受けていない予防接種が見つかれば、かかりつけ医に相談してください。


Q&A
5歳の子がひどいアトピー性皮膚炎です。海水浴が良いと聞いて、海に連れていきましたが、海水に漬けると痛がって泣き、入れませんでした。本当に効果があるのでしょうか。海水浴はしない方が良いのでしょうか。
熊本大学大学院
医学薬学研究部 
小児科 
准教授 三渕浩

 せっかくの海水浴が大変でしたね。皮膚炎は悪化しませんでしたか。お子さんが海嫌いにならないといいのですが。
 アトピー性皮膚炎に海水浴が良いというのは昔から言われています。海水浴の後はかゆみがなくなり、皮膚が一時的にきれいになるお子さんが確かにいらっしゃいます。医学的には海水中の塩分やミネラル、日光がいいとする意見があります。
 しかし、海水の刺激や日光で悪化する例もあります。汚い海水では感染の危険もあります。重症の方は、かかりつけの先生に相談した方がいいでしょう。
 夏の家族の行事としてすばらしい海水浴。できるだけ連れて行っていただきたいと思います。行く前に薬できちんと治療して、皮膚を少しでもきれいにしておき、海に入る直前にワセリンなどを塗っておくと痛がらずにすみます。あまり強い日差しは避けた方がいいでしょう。