こどもの熱中症とその予防 |
熱中症は、高温による体温調節の異常 |
熱中症は、周囲の温度や湿度が高いために、体の熱を外へ出せなくなることによって起こります。体温の調節ができないため、命にかかわることもあります。梅雨明けから8月上旬にかけて多く発生しますが、熱中症が起こりやすいのは真夏ばかりではありません。梅雨前後にも暑い日や湿度の高い日があります。暑さ対策も不十分になりがちですし、体もまだ暑さに慣れていません。湿度が高いと汗が蒸発しにくく体温の調節も難しいため、急に気温が高くなった日はさらに注意が必要です。 |
脱水と高体温により さまざまな症状が起こります |
熱中症はその症状により、軽症、中等症、重症に分けられます。軽症では急な発汗と水分補給によってナトリウムやカリウムなどのバランスが崩れ、筋肉痛やこむら返りなどが起こります。中等症では水分が極端に不足するために頭痛、めまい、嘔吐(おうと)などが起こります。重症では体温を調節できないため、意識がなくなり血圧が下がるなど、命にかかわることもあります。 |
熱中症の予防には水分補給と暑さ対策を |
熊本大学医学部附属病院
小児科 助教 中村公俊 熱中症は脱水と高体温により起こるので、予防には水分補給と暑さ対策が重要です。強い日差しやアスファルトの照り返しなどを避け、日差しの強い日や気温の高い日の外出をできるだけ控えます。外出するときは帽子をかぶせ、風通しのよい服にして、日傘や日陰などを使ってできるだけ直射日光が当たらないようにします。小まめにタオルで汗を拭き、水分の補給を早めにするよう心がけてください。 |
Q&A |
2歳の男児。言葉が遅れていて自閉症ではないかと心配です。保育園に行っていますが、ほかのお友達と遊ぶのも苦手で、一人遊びをしています。何か普通の子と違う感じがして心配です。 |
熊本大学大学院
医学薬学研究部 小児科 准教授 三渕浩 自閉症は、小児の精神発達の障害の一つです。人との関係を上手にするのが苦手だったり、言葉などのコミュニケーションの発達が遅れていたり、特徴的なこだわりを持っている場合に疑います。お子さんの場合、言葉の遅れがどの程度なのか、一人遊びをするのは社会性がないためなのか、こだわりを示唆(しさ)するものがあるのか、などが問題になります。 |