まいらいふのページ

2008年 「まいらいふ」11月号

赤ちゃんの夜泣き

生活リズムに関係か?明確ではない原因

夜泣きとは、生後3カ月から1歳半ごろの赤ちゃんが夜中に突然泣きだし、理由も分からないまま泣きやまないことをいいます。夜は相談できる相手が少なく、親の方は、病気ではないかという不安な気持ちになることもあります。
 突然泣き出す理由としては、おむつが濡れている、おなかがすいた、暑い、寒い、音が気になる、体調が悪いなどが考えられます。しかし、ほとんどの夜泣きではこのようなことと関係なく、理由が分からないまま泣き続けます。
 夜泣きはなぜ起こるのでしょうか。夜泣きの原因はよく分かっていませんが、赤ちゃんの生活リズムと関係があるのではないかと考えられています。生活リズムは生後3カ月を過ぎてから次第に発達します。その途中で夜泣きが起こっているようです。眠ってからも脳は活発に活動していて、その刺激によって泣き出しているのではないか、睡眠のリズムが変わる時に目を覚まして泣いてしまうのではないか、などの説があります。


便に血が混じる時は病院へ

このようなことから、夜泣きは正常な発達の途中で起こる一時的な現象であることが分かります。しかし、理由が分からないため、病気ではないかと心配になることもあります。病気かどうかの一つの目安として、他に何か症状がないかを観察してください。
 38度を超えるような熱があるときには、冷タオルをひたいに載せたりして熱を冷ましながら様子を見ます。翌日にかかりつけ医を受診するサインです。繰り返し泣いて便に血が混じっているときには、腸の中に腸が入る腸重積という病気の場合があるので、救急病院を受診する必要があります。一方、何も症状がなく泣き続けているときには、心配な病気が隠れていることはほとんどありません。
 夜泣きが始まったら、すぐに泣きやませる妙案はありません。抱っこして安心させる、泣き疲れるのを待つ、気分転換のために散歩やドライブへ出かけるなど、いろいろなことが試されています。毎晩のように夜泣きが続くときには、赤ちゃんのリズムに合わせて赤ちゃんが寝ている時は家族も休む、部屋を暗くする時間を決めて生活リズムを作る、などを試してみましょう。


世話をする人が余裕を持つことが一番
熊本大学医学部附属病院
小児科
助教 中村公俊

夜泣きが負担に感じられる理由の一つは、どのくらいの期間続くのか分からないことです。数カ月以内に終わってしまうことがほとんどなのですが、その時まで先の見えない毎日が続きます。夜泣きの一番の対策は、赤ちゃんを泣かせないことではなく、世話をしている人がちょっと開き直って自分の気持ちに余裕を持つことだと思います。赤ちゃんから少し離れる時間を作る、赤ちゃんの世話をしてくれる人を見つける、夜泣きの記録をつけて客観的に見るなども、開き直りの気持ちを助けてくれます。


Q&A
Q 小学生の女児ですが、近所の病院で尿検査をすると蛋白尿(たんぱくにょう)が出たり出なかったりします。本人はどうもないようだし、先生も心配ないとおっしゃいますが、大丈夫でしょうか?
熊本大学大学院
医学薬学研究部 
小児科 
准教授 三渕浩

A おそらく、良性の蛋白尿と判断されて、心配ないとおっしゃっているのだと思います。良性の蛋白尿とは、ある姿勢の時、運動時、発熱時のみ見られ、他に症状を伴いません。また、蛋白尿も出たり出なかったりします。
 もっとも多いのは体位性蛋白尿です。朝起きて一番の尿には出ないが、しばらく動き回っていると出てきたりします。分からないときは、一定時間、体を反らせて立たせ尿検査を行います。これは病気ではありませんので心配いりません。
 朝一番の尿を検査しても蛋白が出ている場合、血尿を伴っている場合は、病的蛋白尿を疑って、さらに詳しい検査を行います。どうもなくても腎臓病の初期のこともあります。心配なら先生に相談して下さい。また、学校検尿で異常を指摘された場合は学校の指示に従い、2次検診、3次検診をきちんと受けましょう。腎臓病も早期の診断治療により、治すことや悪くならないようにすることができます。