まいらいふのページ

2009年 「まいらいふ」6月号

子どもの目の病気(結膜炎)

よく見られる結膜炎 医師の指示なく眼帯を付けないように

 生まれてすぐの赤ちゃんは目をつぶってばかりですが、次第に目を開け、動くものを追って見るようになります。これを追視と呼び、3—4カ月健診の発達の目安としています。物を見る能力は、生まれてから小学校に入学するころまでに次第に発達します。その間に目の異常が続くと、目の働きが悪くなることがあります。
 よく見られる目の病気として結膜炎があります。結膜炎とは、感染やアレルギーなどによって結膜に炎症が起こり、白目やまぶたの裏側が赤く充血した状態です。ウイルス性の結膜炎は伝染力が強いので、学校や幼稚園などを休ませる、タオルを別にする、よく手洗いをするなどの注意が必要です。
 アレルギー性結膜炎は、春や秋に症状が悪化することが多いようです。かゆみが強いときには、こすって眼球の表面を傷つけてしまうため、かゆみや炎症を抑える目薬が必要になります。結膜炎は専門の治療が必要なことがあるので、眼科やかかりつけ医に相談してください。目が充血していると見た目も気になりますが、子どものときに眼帯を付けると視力の発達に影響することがあります。眼科医の指示がなければ、目を隠してはいけません。


自然に治ることもある赤ちゃんの結膜炎

 また、赤ちゃんの結膜炎は、鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)や睫毛内反(しょうもうないはん)によって起こることがあります。鼻涙管閉塞では、涙を目から鼻へ流す管が通りにくくなっています。そのため自然に出る涙が流れずに目やにとなり、炎症を起こします。成長とともに治ることが多いのですが、マッサージや手術が必要になることもあります。
 一方、睫毛内反では、下まぶたが内側に曲がり、まつげが眼球に向かって生えているため、目を刺激して炎症を起こします。1歳までに治ることが多いのですが、手術をすることもあります。どちらも一度はかかりつけ医に相談してください。


早く見つけて、治療したい斜視
熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

 健診の際に相談を受ける異常として、斜視があります。斜視とは両目の視線が対象に向かってそろわず、片目の視線が別の方向に向かっている状態です。目を動かす筋肉の異常、視力の異常などで起こります。症状として、目つきがおかしい、物を見ようとするときに黒目が内側に動く、首を傾けて見る、などがみられます。眼科で専門の治療を行いますが、立体的に見る力は小さいときから発達するため、斜視は早く見つけて治療をすることが大切です。
 正常なのに斜視と思われるものに、偽性内斜視があります。乳幼児では目の内側の皮膚が張り出しているために、黒目が内側に寄って見えることがあるのです。黒目に映った電灯が、両側の黒目の同じ部分にあれば斜視の可能性は少ないです。眼科やかかりつけ医に相談するときには、子どもが目を開けている写真を、携帯で撮ったものでもいいので、持参すると分かりやすいでしょう。


Q&A
新しい日本脳炎の予防接種が可能になったと聞きました。受けていいものでしょうか?
熊本大学大学院
医学薬学研究部 
新生児学寄附講座 
特任教授 三渕浩

 最近、厚生労働省は、新しい日本脳炎ワクチンを承認しました。原材料にマウスの脳を使用した旧ワクチンより、副作用が少ないとされる手法で製造されています。
 日本脳炎ワクチンは定期接種の対象でしたが、副作用が出たとして、同省は2005年、旧ワクチン接種の積極的勧奨を控えるよう、各市町村に勧告しました。そのため、全国的に乳幼児の接種率が低下した上、受けたいと思う人も受けられない状況が続いていました。その結果、免疫を持つ乳幼児の割合が非常に低くなっており、患者の増加が懸念されていました。実際、熊本県では幼児の日本脳炎の発症が報告されています。
 厚労省が、比較的副作用が少ない新ワクチンを用いることで定期予防接種の勧奨を再開するのかどうかは、現時点では分かりませんが、ワクチン自体は夏前に製造販売されると思います。
 先にも述べましたように、熊本県は日本脳炎発症の危険地域です。発症後は有効な治療法はありませんので、予防接種を受けておくことが大切だと思います。費用がどうなるのか、この間接種を受けていなかったお子さんをどうするのか、まだ不明な点もあります。詳しくは地域の保健センターやお近くの医療機関にご相談下さい。