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2008年 「まいらいふ」6月号

悪口を言いふらしたり、持ち物を隠したりする娘の友達

今回のご相談 八代市/Uさん 37歳

小学5年生の娘のところに遊びに来るお友達のA子ちゃんは、とても明るくて挨拶もきちんとできるいい子。ところが、陰では娘の悪口を言いふらしたり、持ち物を隠したりすると、ほかのお友達のお母さんに聞きました。娘に尋ねると困ったような顔をして何も答えません。A子ちゃんは相変わらず娘の部屋で遊んでいきます。親としてどう対応すればいいのでしょうか。


摩擦のある人間関係の入り口に立つ時期。親は応援者であることを伝えて見守って。
臨床心理士
植村照子
向陽台病院
リハビリテーション部長
熊本県スクールカウンセラー

 女子の場合、小学校高学年は「自分がどう思われるか」を意識し始め、友達関係が複雑になる時期です。それに伴って、これまでとは違う、もやもやとした感情も始まります。  娘さんは、「家族以外の他者とどう折り合いをつけるか」という、摩擦を含んだ人間関係の入り口に立っています。親がA子ちゃんを排除するのは簡単でしょうが、これからの娘さんの人生には、同じような「A子ちゃん」が何度となく現れてくるでしょう。ここでは、困惑しながらも自分で乗り越えていく一歩を踏み出しやすくするためのサポート役になりたいものです。  そのためには、「嫌なことがあったら、お母さんに話していいのよ」と伝えておくことが大切です。言葉にすることで、次のステップに進むことができることもあります。  ただ、無理に聞きだす必要はありません。困ったような顔をして答えないのは、思い当たる節があるけれど、それを認めたくないという気持ちの表れかもしれません。いじめなどでも、親に相談できないのは、仕返しが怖いという以前に、その現実を認めたくない、という気持ちからのことが多いようです。その気持ちを尊重しましょう。  子どもは子ども同士のやり取りの中で、階段を上っていきます。親は親の立場で見守ることが大切。その中で、親子のコミュニケーションが深めていければいいですね。