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2010年 「まいらいふ」1月号

「男の子が怖い」と女子校を選びましたが、徐々に学校を休むようになり「女の子も怖い」と言うのです

今回のご相談H 41歳

 現在、高校1年の娘は、高校受験の際、「男の子が怖い」と女子校を選びました。無事合格でき、元気に登校していたのですが、2学期に入ってから、徐々に学校を休むようになってきました。理由を聞くと、「女の子も怖い」と言うのです。中学の時は男子が怖くて、そんなこと思わなかったけれど、女子しかいない学校に行き、女の子も怖いと感じ始めたらしいのです。「そんなことを言っていたらどこにも行くところがないよ」と、登校するよう促していますが、いったん玄関を出ても、途中で引き返してきてしまいます。学校の先生にも、そんな理由とは言えず、どうしたらいいものか悩んでいます。


「怖がる『私』って何者だろう?」自分探しの出発点に親子でこれまでを振り返り自分の再発見を手伝って

 体の変化の兆しに体も心も不安定になる小学校高学年ぐらいから始まる思春期。自我が芽生え、人にどう思われるかが気になる中高生時代へと続きます。この時期の男子は、優しかった子が素っ気なくなったり、暴力的になったり、女子から見れば、何を考えているのか分からない存在になります。娘さんが「怖い」と感じるのは、男子が「分からない」からだと思いますよ。  また高校生くらいになると、女子は女子で、これまでおとなしかった子が急にはじけて派手になったりするなど、予想の付かない変化を見せ、「分からない」存在になってきます。それに戸惑い、怖いと感じるようになったのかもしれませんね。  一方で、娘さん自身、どうしてこんな気持ちになってしまうのか分からず、不安でいらだっていると思います。人のことも分からないけれど、自分のことも分からない。「『私』って、何者だろう?」という“自分探しの旅”の出発点にいるのです。お母さまとしては今後のことが心配でしょうが、ここは少しゆっくり時間を取って、これまでのことを娘さんと振り返ってみませんか。「こんなことがあったよね」、「○○になりたかったの」といった話は、自分を再発見し明確にする手助けになります。また、「お母さんに自分のことを分かってもらえた」という気持ちが、娘さんに安心感をもたらすでしょう。その上で、「怖くなることもあるだろうけれど、出会っておいで、観察しておいで」と、送り出してはいかがでしょうか。  また不安が大きくなるようなことがあれば、スクールカウンセラーなど専門家に相談することも視野に、「怖いからといって回避ばかりはできない」人生を歩むための土台作りを進めてほしいと思います。