ご質問の文面からだけでは、どういうことが起きたのかよく分かりませんが、もし、親しい人から暴力を受けた疑いがあるのなら、娘さんを問いただすのではなく、まず優しく接してください。
DV(ドメスティックバイオレンス)は、夫婦など親密な間柄にある男女間の暴力を指しますが、交際中の相手から受ける暴力を「デートDV」と呼びます。2006年の内閣府の発表では、10代〜20代の時に交際相手から「身体的暴力」「心理的攻撃」「性的強要」のいずれかを受けたことがあると13.5%の人が答えています。若者にとって身近な問題なのです。
デートDVの背景には「女は男に従うものだ」「嫉妬(しっと)や束縛は愛情表現」といった間違った思い込みがあると考えられています。そのため、加害者は自分の暴力を相手のせいにし、被害者は「自分が悪いから」と考え、お互いにDVの自覚がありません。これを放っておくと、心理的に抜け出せない状況に陥ります。まず「これはDVだ」ということに気づかせることが大切です。
特に、初めて暴力を受けた時は、驚き、どう対処していいか分からない混乱した状態でしょう。事情を聞きたい感情を抑え、気持ちに寄り添い、優しく接することが求められます。そうすることで安心感を得られれば、少し落ち着いて振り返ることができることもあります。そうして何が起きたか話せる状況になったら、暴力はふるう人に責任があり、それは相手を尊重する対等な関係ではないことを話しましょう。
小さな暴力からスタートし、その加害被害関係を本人たちが否定することから、いつか逃れられない状況になる。これがDVの恐ろしさです。娘さんを見守りながら、必要と感じたら、DVの専門機関に相談されてはいかがでしょう。
熊本県女性相談センター
(熊本県配偶者暴力相談支援センター)
DV電話相談 ☎096-381-7110
◎平日8:30〜22:00 ◎土日祝9:00〜22:00
熊本市総合女性センター総合相談室
☎096-343-8306
◎日・月を除く毎日10:00〜16:00
木曜は20:00まで
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