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2009年 「まいらいふ」4月号

不登校気味の子と付き合う中3の娘が心配・・・

今回のご相談 熊本市 38歳

この春、中3に進級する娘は、相手は変わるものの、いつも彼氏がいます。中1の時に、相手の事を聞くと、不登校気味の子だとか。部活を終える娘に会うために、夕方、学校に来るのだと、自慢げに話していました。その後に付き合った彼も、問題行動が指摘されている子で、べったり一緒にいました。娘自身は毎日学校へ行き、部活動もサボらない、成績も真ん中くらいの普通の中学生だと思うのですが…。「そんな子と付き合うのはやめなさい」と言うのははばかられますが、どうしたものかと悩んでいます。


「彼には私が必要だから」ではなく、「自分が好きだから」付き合う人に寄りかからない子になればお互いもっと輝くはず
くまもと心理カウンセリングセンター
臨床心理士
江崎 百美子(ゆみこ)
江尚絅大学講師
熊本犯罪被害者支援センター心理相談員
スクールカウンセラー
エイズ派遣カウンセラー

 偶然お母さんが聞いた情報が、お子さんの付き合う相手として心配、という話はよくあることです。しかし、「私が支えないと、彼はダメになってしまうかもしれない」「彼には私が必要」と思って、娘さんが今までの彼と付き合ってきたとすれば、問題は少し違うところにあるかもしれませんね。  「相手が自分を必要としている」と思うことが、自分自身の存在理由になり、そこに生きる意味を確認することを、私たちは「共依存」と呼んでいます。娘さんとその彼は、毎日でも会って、共に寄り添わないと安心できない気持ちの持ち主同士なのかもしれません。そういった行動の背景には、自分への自信のなさ、自己肯定感の低さがあると言われています。  お母さんには「普通の中学生」に見える娘さんですが、どこか自信のなさを抱えたまま成長されたのかもしれません。娘さんの彼もそうかもしれませんね。今、二人が付き合っていることを知っているお母さんにできることの一つは、二人を一緒に育てるつもりで迎え入れてみることでしょう。人生の先輩として二人と付き合ってみませんか?  お母さんの、大人としての考え方や行動を見て、何かを学び取ってくれたら、娘さんも彼も、自分らしく一人でも頑張れる子に、少しずつ変わっていってくれると思います。娘さんも彼も、もっと輝けると思います。