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「あれんじ」 2011年7月2日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第十五回】 楽しく生きる

女性医療従事者によるリレーエッセー 【第十五回】

【第十五回】 楽しく生きる
たしま外科内科医院
副院長
田嶋 由香

 まだまだ若いと思っていたのに、医師になり20年目に突入、同級生はみな立派な肩書を持つ社会人となりました。講師は「40歳にして惑わず」と言いましたが、私の場合まだまだ迷ってばかりの毎日です。研修医時代を終えて間もない頃は「自分でなんでもできる」くらいにおこがましい考えを持っていましたが、今思えば本当に恥ずかしい限りです。歳をとればとるほど、いかに何も知らず、何もできないかを思い知らされるような気がします。
 それでも毎日楽しく診療ができ、おいしい食事ができて、笑顔で過ごせるのは周りの皆さまのおかげと日々感謝しています。人間は一人では生きていけません。若い頃は勘違いしていましたが、周囲の環境があってこそ生かされていると、今ではつくづく思います。
 さて、私のモットーは「楽しく生きる」です。せっかく生きている以上”楽しさ”というスパイスを周囲の方々から分けて頂かなければ…と欲張りなことを思っています。患者さんがよくなればそれだけでうれしく楽しい一日が過ごせます。家族より長い時間を共に過ごすスタッフも、損得を考えずに仕事をしてくれ、休み時間にはおしゃべりにもつきあってくれ、毎日楽しいです。
 ”楽しさ”は周りにもっとたくさんあるのでしょうが、意外と見逃しているような気もします。「楽しく生きるためには目をこらさないといけないなぁ」と思います。笑顔で過ごせば”楽しさ”は見つかりやすいと信じています。まずは笑顔、笑顔ですね。