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「あれんじ」 2011年6月4日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第十四回】 パワーの源

女性医療従事者によるリレーエッセー 【第十四回】

【第十四回】 パワーの源
田畑こども
レディースクリニック
副院長 田畑 愛

 女性特有の疾患ゆえに何となく敷居が高く、敬遠されがちな婦人科を気軽に受診していただければ、と願って3年半前に開業いたしました。
 毎日さまざまな出会いがあります。思春期まっただ中の女の子の可愛い悩みに自分の若かりしころを重ねてみたり、仕事で疲れ果てている独身女性にエールを送り、子育て真っ最中のお母様に深く共感し、更年期に悩むご婦人や、目を細めてお孫さんの話をされるおばあちゃまに将来の自分を想ってみたり、と治療はもちろんのことですが、私が自分自身を振り返るという貴重な時間でもあります。
 いったん、家に帰れば4人の子どもたちに振り回されっぱなしですが、皆さんと同じように子どもたちに負けないよう、パワー全開で日々奮闘しております。
 いつのころからでしょうか、産婦人科医以外の職業は頭になく、願いはかなったものの、結婚、出産、子育てで大変な時期もありました(今もまだ大変)。それでも辞めようと一度も思わないで来たのは、ひとえに、女性の一生にかかわっていくこの仕事に惹かれ続けているからだと思います。
 また、こうしてこの仕事を続けていられるのも、先輩の先生や頼りになる友人、患者さんのあたたかい言葉に支えられているからこそ、と心から感謝、感謝です。
 これからも熊本の女性が、いきいきと毎日を過ごすことができますように、微力ながらお手伝いできればと思っております。