【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
子どもの「中耳炎」
「夜泣きが激しいと思ったら中耳炎だった」という経験をしたことはありませんか。中耳炎は、乳児から小学生くらいまでに多くみられます。今回は、子どもの「中耳炎」についてお伝えします。 |
中耳炎とは(原因と症状) |
耳の奥は、鼓膜(こまく)という薄い膜で外側と内側に分けられています。鼓膜の内側を中耳と呼び、耳管と呼ばれる管で口の奥とつながっています。かぜなどの炎症が耳管から中耳に広がったものが中耳炎です。 |
中耳炎の治療 |
中耳炎の多くは細菌が原因なので、治療には抗生物質を使います。きちんと治すために5日間ぐらい抗生物質を飲み続けます。炎症が強いときには鼓膜を切開することもあります。また、鼓膜の一部が破れて膿(うみ)が出てくることもあります。ほとんどの場合、鼓膜は自然にふさがります。慢性中耳炎では、治療のために鼓膜にチューブを入れることがあります。滲出性中耳炎は耳管の通気がよくならないと治らないので、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、原因となる病気の治療を同時に行います。 |
予防と、園や学校での注意点 |
水泳は、発熱がなく体調がよければ可能ですが、鼓膜が破れていれば中止します。中耳炎の原因の一つが肺炎球菌で、最近予防接種ができるようになりました。予防接種を受けることで、中耳炎になる子どもが減るのではないかと期待されています。 |
熊本大学医学部附属病院
小児科 講師 中村公俊 乳幼児の中耳炎には治療に時間がかかるものもあります。かかりつけ医と相談しながら治療法を決めましょう。 |