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「あれんじ」 2010年4月17日号

【見る・知る・感じる 熊本まつり探訪】
【犬子ひょうたん祭】

浴衣姿華やかに 初夏を告げる山鹿の風物詩

無病息災・家内安全を願う祭り

 県内でも有数の温泉地として知られる山鹿市。この地域で、無病息災・家内安全を祈願する祭りとして親しまれているのが「犬子ひょうたん祭(祇園祭)」。この祭りは、京都の祇園祭が開催される6月15日に合わせて行われる例祭です。山鹿では、この6月15日を「初かたびら」と言い、女性が浴衣を着始める習慣があります。祭りに繰り出す若い女性や子どもたちの浴衣姿が、祭りに華を添えます。


「祇園の神」の化身 遷座に現れた子犬を神と仰ぐ人々

 祭りの起源は江戸末期。山鹿地域に流行った疫病を退散させようと、枕元にたった祇園の神のお告げに従い、八坂神社を現在の大宮神社境内に遷座。その間、御輿から離れなかった子犬が、到着と同時に姿を消してしまうと疫病も消滅したことから、子犬が祇園の神の化身と考えられたそうです。


米粉で作られた”子犬”と”ひょうたん”のお守り

 祭りの比、八坂神社には愛らしい子犬と祇園の神の好きな酒を入れるひょうたんを米の粉でかたどったお守りが並びます。山鹿地域では、疫病・厄災除けのお守りとして一年間部屋に飾るのが習わしだとか。このお守りを買い求める浴衣姿の参拝者の列は、山鹿に初夏の訪れを告げる夏の風物詩となっています。