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「すぱいす」 2026年6月号

【医療従事者によるリレーエッセー】
慈愛の心 医心伝心 vol.147

慈愛の心 医心伝心 vol.147

「その人らしく生きる」新しい認知症観

認知症は高齢になると誰にでも起こり得る身近な病気です。高齢者の5人に1人が認知症といわれる中、「認知症になっても、その人らしく生きる」という新しい認知症観が広まっています。

認知症は「何もできなくなる状態」ではなく、環境や、周囲の関わり方によって一定の能力を発揮できる病気です。認知症の症状の裏側には、本人なりの不安や困り事があります。その背景を理解することが大切です。


私は家族が認知症だったことから、認知症のことをよく知りたいと思って専門の勉強に取り組み、認知症看護認定看護師になりました。そして、認知症を持つ人やそのご家族と接する中で、人と人とが支え合うことの大切さを日々感じています。

ある一人暮らしの患者さんが「今までいっちょんつまらんかったけど、こうやってあなたや、たくさんの人が私を気にかけてくれるなら、ぼけるのも悪くないね」と言われたことがあります。受診によって人との交わりが増えたことを喜んでいる笑顔が印象的でした。認知症の有無に関係なく、人が人と関わることの意義を教えてくれたように感じました。

認知症を持つ人が「その人らしく」地域で住み続けることができるようになるには、多くの人が認知症を正しく理解し、互いに支え合うことが求められます。そういう社会を目指して、今後も活動していきたいと思います。


執筆者
阿蘇医療センター認知症看護認定看護師
佐藤 明日香さん


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