すぱいすのページ

「すぱいす」 2025年10月号

【医療従事者によるリレーエッセー】
慈愛の心 医心伝心 vol.139

慈愛の心 医心伝心 vol.139

一人で悩まず「がん相談」

今は2人に1人が「がん」になると言われていますが、「がん告知を受けて頭が真っ白になった」という言葉をよく聞きます。そんな時、身近に相談できる人たちがいることをご存じでしょうか。

がん相談支援センターの「がん専門相談員」と日本癌治療学会の「認定がん医療ネットワークナビゲーター(「がんナビ」)」です。私はこの両方の役割でサポートをしている一人です。

がん専門相談員は、国や県が指定した「がん診療連携拠点病院」に設置された「がん相談支援センター」にいます。さらに、そこへ相談をつなぐ役割として「がんナビ」がいます。お近くのさまざまな機関の医師や看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、介護士、ピア(がん患者・家族)の中に認定を受けた人たちがいます。どちらも無料で、受診している病院かどうかに関係なく、相談できます。

多くの患者さんやご家族が「治療をする、しない?」「どこでどんな治療をする?」などの大切な選択を迫られます。私たちは皆さんの気持ちに寄り添い、一緒に考えながら解決の糸口を見いだすお手伝いをします。

診察中に理解できなかったこと、家族や仕事・お金のことを聞きたい、同じような思いをした人と話したい…など一人で悩まず気軽にご相談ください。詳しくは「がん相談支援センター」「(日本癌治療学会)認定がん医療ネットワークナビゲーター」の各ホームページを検索してみてください。


執筆者
JCHO人吉医療センター・がん相談支援センター がん専門相談員
認定がん医療ネットワークシニアナビゲーター
南 秀明さん

適切な治療や情報にアクセスできない「がん難民」がなくなることを願って私たちは日々活動しています。