すぱいすのページ

トップページすぱいすのページ「すぱいす」 2024年7月26日号 > 医療従事者によるリレーエッセー 慈愛の心vol.124医心伝心 

「すぱいす」 2024年7月26日号

【【元気!の処方箋】】
医療従事者によるリレーエッセー 慈愛の心vol.124医心伝心 

熊本大学病院
総合周産期
母子医療センター
医師
米田成美さん

寝相から思うこと

わが子の寝相にはいつも驚かされます。私は2歳の子どもと一緒に布団で寝ています。子どもは私の右横に頭を並べて寝ます。ところが夜中、肩や横腹、たまには顔を蹴られて目が覚めることがあります。私が寝返りを打つと足元に子どもの頭があって、ぎょっとすることも少なくありません。もしかしたら私の子どもの動きは激しい方なのかもしれませんが、意外と子どもは寝ている時に動きます。仕事上、私は日常的に赤ちゃんを見ています。赤ちゃんは、まだ寝返りしない月齢でも移動しています。足や手、全身で動くのか、元いた場所よりずり上がっていたり違うところにいたりします。赤ちゃんを寝かせる環境の注意点に「口や鼻を覆ったり首に巻き付いたりするものは置かないようにしましょう」というものがあります。赤ちゃんが寝返りをした

ずり上がったりした際に、ぬいぐるみやクッション、よだれかけ、充電ケーブルなどが口や鼻をふさいだり首に巻き付いたりして窒息する危険性があるからです。窒息防止という点で「同じ寝具で就寝している際に大人の体の一部で圧迫してしまわないように注意しましょう」
「できるだけベビーベッドに寝かせましょう」というのもあります。寝返りを打った時に足元に子どもがいた―。私の経験は子どもを圧迫するには至っていませんが、気付かず圧迫する一歩手前であったかもしれません。赤ちゃんや子どもが寝ているとき窒息しないような環境づくりが大切だと、わが子の寝相を見てしみじみ思います。