女性の社会進出が進んでいます。私自身、子育てをしながら医師を続けています。女性の生き方や社会が変化する中、妊娠・出産・育児への考え方も多様化していることを感じるようになりました。
出産においては、自然分娩にこだわらない方が増え、「無痛分娩」について尋ねられることが多くなりました。
無痛分娩とは、麻酔を使って陣痛の痛みを和らげながら出産する方法です。痛みが緩和されることでリラックスしてお産に臨める、体力の消耗が少なく産後の回復が早い、産後うつの発生が少ないといったメリットが知られています。
「無痛」といっても、完全に痛みを感じなくなるようにするわけではありません。陣痛が分かる程度、通常の2〜3割の痛みに抑えることが理想とされています。お産は個人差が大きく、進み方や痛みの感じ方は人それぞれです。そこで、いつ、どれくらい麻酔薬を投与するのか、麻酔科医は分娩終了まで母子の様子をモニターで注意深くチェックしながら、産科医、助産師と連携してお産に当たります。
私自身も経験した出産は、「女性の人生の大事な一ページ」だとつくづく感じます。産婦人科の医師として安全安心なお産を提供し、快適でうれしい思い出にしていただきたいと願っています。お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても、かけがえのない一ページをこれからも丁寧に積み重ねていき、医療を通じて女性の幸福に貢献していきたいと思います。 |