◆背骨が左右にわん曲する病気
側わん症とは、背骨が左右にわん曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うこともあります。通常、小児期にみられる脊柱(せきちゅう)変形を指します。
日本での発生頻度は1〜2%程度で、女子に多くみられます。原因不明の背骨のわん曲を特発性側わん症といい、全側わん症の60〜70%を占めます。その他、脊柱の先天的な異常によるものを先天性側わん症、神経や筋の異常によるものを症候性側わん症といいます。
診断には左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、前かがみをした姿勢で後ろから背中を見た場合に肋骨(ろっこつ)や腰部の隆起などの変形がないかを観察します。進行すると、腰背(ようはい)部痛や心肺機能の低下を来すことがあります。進行する前に診断し、治療を開始することが大切です。
◆運動や装具で治療、手術の場合も
側わん症の疑いがある場合は、脊柱全体(立位)のレントゲン写真からわん曲の程度を角度で表し評価します。特発性で程度が軽い場合には運動療法などで経過観察しますが、進行する場合には装具治療を行います。脊柱の成長期である思春期に悪化する場合が多く、手術による矯正が必要になる場合もあります。
側わん症を含めた児童・生徒の運動器障害を早期に発見するため、2016年度から運動器検診が導入されています。新学期時に学校から配布される運動器に関する保健調査票をしっかり記入してください。 |