【元気の処方箋】
速やかな受診・治療が大事 脳梗塞
脳梗塞は「急に起きる」「後遺症が残る」という印象があるのではないでしょうか。どうして起きるのか、発症したらどうすればいいのか、治療や予防法などについてお伝えします。(編集=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】 脳卒中の6〜7割占める脳梗塞 |
脳の血管が急に詰まったり破れたりすることによって、神経症状が起こる病気を「脳卒中」と言います。 |
【脳梗塞の分類】 大きく分けて3タイプ 心臓疾患か動脈硬化が原因 |
脳梗塞には、大きく分けて3つのタイプがあります。 |
【特徴的な症状】 急に起きる「片側のまひ」 言葉や意識の障害も |
半身のまひ、言葉の障害、意識の障害などで急に発症することが多く、そのほか片方の目が見えにくくなる、片側の視野が欠ける、といったものもあります。 |
【脳梗塞かな?と思ったら】 救急車を呼ぶか専門病院を受診 |
「症状が軽いから」「良くなったから」といって様子を見ていると、治療の時期を逃してしまい重い後遺症が残ることがあります。「もしかしたら」と思ったら、すぐに救急車を呼ぶか、急いで脳卒中専門病院を受診するようにしましょう。発症した本人は症状に気づかずに、周りの人が気づくこともあります。 |
【急性期の治療】 発症後なるべく早く治療を開始 |
以前は治らない病気だった脳梗塞ですが、現在では早く適切な治療を受けることにより、ある程度は後遺症を軽くすることができるようになりました。 |
【予防するには】 重要な禁煙、血圧管理 |
【図1】脳卒中予防十カ条
脳梗塞の発症には、加齢や遺伝(体質)的な側面も影響しますが、食生活や運動習慣などの生活習慣が大きく関わっています。脳卒中予防十カ条(図1)を参考にして、しっかり脳梗塞を予防しましょう。中でも禁煙と血圧管理は特に重要です。 |
【図2】脈拍触診の方法
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【MEMO】 脳卒中・心臓病の各種相談に対応 |
熊本県では、行政と医療機関が協力して、脳卒中や心臓病の患者と家族を支援する取り組みを始めています。 |
執筆者
熊本大学病院脳神経内科 特任教授 中島 誠 ・日本脳卒中学会専門医・指導医 ・日本神経学会専門医・指導医 ・日本内科学会総合内科専門医 |