【元気の処方箋】
女性の医療シリーズ@ 不妊症の原因にもなる 子宮内膜症
11月と12月は「女性の医療シリーズ」として、女性特有の疾患や悩みを取り上げます。今回は、月経時の強い痛みなどで知られる月経困難症の原因にもなる「子宮内膜症」についてお伝えします。(編集=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】女性の一生に関わることも |
毎月の生理(月経)のときの強い痛みや吐き気、下痢、抑うつなどの症状「月経困難症」に悩まされている女性は、日本で約900万人といわれています。 |
【子宮内膜症とは】 |
【図1】子宮内膜症の状態
子宮内膜と似た組織が骨盤の腹膜や卵巣など子宮以外にでき、出血や炎症や癒着を起こす。 卵巣に血液がたまっていくと「チョコレート嚢胞」ができる。 ◆子宮以外にできる 子宮内膜と似た組織 |
【MEMO】 子宮内膜症を発症する リスクが高い月経困難症 |
中高生の女子の約7割が月経痛の悩みを持っており、月経痛が強くなるほど学業やスポーツへの影響が大きくなっていることが報告されています。 |
【子宮内膜症の診断】 問診、内診、検査などで診断 担当医に相談を |
子宮内膜症の診断のためには、まず月経痛やその他の痛みの有無や程度を問診で確認し、内診によって診察時の痛み、子宮周囲の組織の硬さ、卵巣が腫れていないかなどを確かめます。 |
【子宮内膜症の治療】 |
【図2】子宮内膜症の治療
◆症状や程度、妊娠・出産の希望の有無で変わる治療法 |
【おわりに】適切な治療法を一緒に考えましょう |
子宮内膜症は強い痛みがあり、不妊症の原因になることもある女性特有の病気です。ライフステージに合わせて適切な治療法を選択しながら、長く付き合っていかなければなりません。 |
執筆者
熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学講座 地域医療連携ネットワーク実践学 寄附講座 特任助教 楠木 槙 ・日本産科婦人科学会専門医 |